2024年7月8日(月)号

6月のインフレ率0.62%=前月比では6か月ぶり下落

 商業省が7月5日に発表した6月の一般消費者物価指数上昇率(一般インフレ率)は0.62%で、5月の1.54%を下回った。物価は前月比では0.31%減となり、6か月ぶりに下落に転じた。食品・飲料の物価が前年比で0.48%上昇したほか、非食品・飲料物価は0.71%増となった。商業省は通年の一般インフレ率を0.00~1.00%と見積もっている。
 電力料金は前年同月の数値が低いローベース効果がはげ落ちたことで前年比0.19%下落した。今年5~8月の電力料金は1ユニット(㌔㍗時)あたり4.18バーツに据え置かれている。生鮮野菜・果物の物価は出荷増から前月比で下落した。暑季が過ぎ、降水量が増えている。生鮮野菜・果物の物価指数は前年同月比0.10%増となり、前月の0.46%増から下落した。
 燃油の指数は前月比で0.17%下落した。ローベース効果から前年同月比で5.70%増となっているが、世界市場の原油相場に連動してガソリン価格が前月比で下落した。軽油の小売価格は、政府が1㍑あたり30バーツ未満への抑制を断念し、33バーツ未満に修正したこともあって、値上がりしている。4月から5月にかけて軽油の小売価格は1㍑あたり29.94バーツから32.94バーツに値上がりしている。
 一般消費者物価から生鮮食品とエネルギーを取り除いた基本消費者物価指数上昇率(コアインフレ率)は0.36%増で、前月を小幅下回った。依然としてデマンドプル型のインフレ圧力が勢いを欠いていることを示している。
 第2四半期(4~6月)平均の一般インフレ率は0.78%。コアインフレ率は0.38%。上半期(1~6月)では、それぞれ0.0%、0.41%となった。
 今年下半期には景気回復に沿って一般インフレ率が上昇する見通しで、タイ中央銀行の金融政策委員会(MPC)は、ターゲットとする1~3%増の誘導目標範囲に戻すと予想している。一方、カシコン・リサーチ・センターは、通年の一般インフレ率を0.8%と見積もっている。第3四半期に1.0%近い水準となった後、第4四半期には前年同期の数値が低いローベース効果から2%台へと上昇すると予測した。
 政府は軽油価格を33バーツ未満に抑制する政策の実施期間を7月末までとしている。石油基金を通じた補助金を垂れ流し続けることは不可能で、世界市場の市況次第で打ち切りまたは、上限価格の引き上げを余儀なくされる可能性が高くなっている。電力料金についても、タイ発電公団(EGAT)が過去に料金の一部を肩代わりしており、この負債の返済を強いられることで、9月から上昇する可能性が高い。

BYDの王伝福CEO=5日にセーター首相を表敬

 セーター首相は7月5日、首相官邸でBYDの創業者である王伝福CEOと会談した。チャイ・ワチャロン政府報道官によれば、首相はBYDが東南アジアの生産拠点としてタイを選んだことに謝意を示した。タイ経済への貢献を期待している。

セーター首相を表敬した王伝福CEO(左)


 首相は王氏に、タイでの生産にあたって、タイ国内にあるサプライチェーンを最大限利用するよう求めたほか、EV普及支援策での合意に沿ってタイ拠点でのフル生産を求めた。またBYDのEVを購入した消費者から価格面で多くの苦情や不平が寄せられていることに触れ、タイの消費者を適切に保護するよう要請した。
 王氏は首相からの有益な助言に感謝すると述べ、BYDがタイ市場を重視していることを伝えた。多くの部品はタイで生産されると説明した。4日に開所式を執り行なったラヨン工場の生産能力は年間15万台。タイでの販売に加えてインドネシア、ベトナムにも輸出する計画で、フル生産するには2年かかると述べた。販売価格設定については、首相の要請を考慮するとし、価格変更で不利益を受けた顧客を救済すると約束した。

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