GULFとINTUCHが合併=5年間で1000億バーツを投資
3月25日、エネルギー大手のガルフ・エナジー・デベロップメント社(GULF)と通信持株会社のインタッチ・ホールディングス(INTUCH)の合併が正式に承認された。新会社「ガルフ・デベロップメント」(GULF)が4月1日付で発足する。4月3日にはタイ証券取引所(SET)への再上場も予定している。新会社は、エネルギーと通信事業の統合によるシナジー効果に加え、データセンター事業の拡大も視野に入れている。
合併後の資本金は149億3900万バーツで、同額が払込済み資本となり、普通株149億3900万株が発行される。取締役には旧GULFとINTUCHの経営陣12人が選任された。
新会社の副会長兼CEOに就任するサーラット・ラタナワディ氏は、両社の強みを融合することで、新会社はエネルギーと通信の分野でリーダーとしての地位を確立できると強調した。また、合併によって事業基盤が強化されるだけでなく、インフラ、デジタル、金融を含む幅広い分野への事業展開が可能になるとした。特に、現在すでに契約が埋まっているという24MW規模のデータセンターは、2025年第2四半期の稼働を目指し、さらなる拡張を視野に入れていると語った。
サーラット氏は、GULFグループの事業は①エネルギー②インフラ③デジタル④投資の4分野で構成され、順調な成長を遂げていると強調。なかでも、AISによる通信事業の利益が年間300億バーツ超に達しており、合併によって少なくとも年間35億バーツ以上の持分利益が見込めるという。配当金についても、これまで年間60億バーツを支払ってきたが、今後はこれを上回る水準に増やす方針を示した。さらに、5年間で1000億バーツを投資する計画も発表した。そのうちの60〜70%は再生可能エネルギーに充てる。残りの30〜40%は通信・デジタル技術分野に投じる。今年は200億バーツの投資を予定している。
持ち分発電容量は、2023年時点の8593MWから、2033年までに1万2750MWに引き上げる。電力コストの高騰について、サーラット氏は、燃料費が80%以上を占めており、液化天然ガス(LNG)価格の変動が主因だと説明した。戦争などの外部要因によって価格が一時、百万BTU当たり90㌦まで上昇したことを示した。米国における1200MWのガス火力発電プロジェクトはすでに契約済みだが、合併プロセス中は株価安定のため新たな動きは控えているとした。ガス事業では、年間400万~500万㌧の液化天然ガス(LNG)の輸入を目指しており、自社の発電所や産業用顧客向けの需要に対応する。
また、カシコン銀行(Kバンク)株の保有についても触れ、流動性の確保や事業補完のためのもので、相場次第で売買すると述べた。
一方で、小型モジュール炉(SMR)や水素発電、CCS(炭素回収・貯留)などの次世代エネルギーには投資意欲を見せていない。過去に石炭火力発電所で地域住民から強い反対を受けた経験が影響していると説明。政府が主導する場合には技術支援や助言は行なう姿勢を見せた。
新たなインフラ事業、たとえば港湾や高速道路、水素発電については、今のところ実施計画はないと明言した。
第46回バンコク・インターナショナル・モーターショーが開幕
第46回バンコク・インターナショナル・モーターショーが3月26日から4月6日までムアントンタニのインパクト・チャレンジャー・ホール1〜3およびフォーラムホール4で開催される[=写真は25日の開幕式]。今年のテーマは「The Talk of Sensuous Automotive(自動車の感性を語る)」。

主催するグランプリ・インターナショナル社のプラチン・イアムラムナオ会長によると、今年は自動車41ブランド、バイク13ブランド、合計54ブランドが出展している。中国からはZEEKR、OMODA&JAECOO、CHERY、KINGGEN、JUNEYAO、RIDDARA、GEELYなど新規のEVブランドが参入し、ファーウェイの車載ナビゲーション技術やYADEAの電動バイクも初披露された。中国系の出展者は昨年比で14社増えており、存在感を一段と高めている。
さらに今年は、約9000平米のフォーラムホール4に、EVとエンジン車用の自動車部品ゾーンを新設。中国・南京のChuangi Exhibitionが主導し、中国の部品メーカーが製品を展示している。タイ企業との新たな販売ネットワークの構築を目指す。
会期中の3月24日から30日には、約3800平米の展示エリアでビジネスマッチングのイベントも行なわれる。
会場では高級中古車、ファッション、ライフスタイル雑貨、スピリチュアルアイテムなど、多彩な展示や販売も行なわれている。「MU-NIVERSE」と名付けられたコーナーでは、著名占星術師のラック・ホーラーティパティ氏らによる占い相談、吉日アドバイス、開運グッズの販売もあり、若年層の注目を集めている。
体験型の企画も充実し、E-Racing用シミュレーター体験に加えて、日本のR.C.S.(Runbike Championship Series)と連携した子ども向けのランバイク競技も開催される。子ども用品やスポーツ・ファミリー向けのゾーンも充実しており、家族連れにも配慮した構成となっている。
報道関係者向けの「プレスデー」が3月24日に実施され、翌25日には公式オープニングセレモニーが行なわれ、VIP向けの特別公開も実施した。
ピラポン・イアムラムナオCEOは、LINE公式アカウントやフルループアンケートシステムを活用し、来場者の利便性を高めていると説明。デジタルトランスフォーメーションの導入によって、来場登録からフィードバック収集までがスムーズに行なえる仕組みとなっていることを明らかにした。
今年の来場者数と売上は前年比10%増を期待している。家計債務の膨張や金融機関の融資審査の厳格化が続いているが、新車・中古車への需要は根強いとみている。
抽選で当たる豪華プレゼント企画もある。入場券を購入してアンケートに答えると、JAECOOのEVやヤマハ、ホンダのバイクが当たるほか、場内での予約・購入でも抽選に参加できる。フォーラムホール4では、1000バーツ以上の買い物でEスクーターが当たるショッピング企画も行なわれている。
入場券は会場入り口とLINEアプリから購入可能。BTSピンク線のシーラット駅からは無料シャトルバスも運行している。
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