2025年1月20日(月)号

日タイ官民自動車ビジネス・フォーラム=次世代自動車産業で協力強化

 日本の経済産業省は1月15日、日本とタイの自動車工業における官民協力に関する「日タイ官民自動車ビジネス・フォーラム」を開催した[=写真]。自動車産業を通じた日タイのさらなる連帯を強化することが狙い。在タイ日本大使館、ジェトロ・バンコク事務所、タイ外務省、投資委員会(BOI)事務局、日本の海外産業人材育成協会(AOTS)と共同で開催され、オンラインを含め約700人が参加した。フォーラムでは日本とタイから自動車産業に関わる官民のステークホルダーが登壇し、4つのテーマでパネルディスカッションを行なった。


 パネルディスカッションに先立ち、武藤容治経産相とマリット・サギアムポン外相によるビデオメッセージでの開会挨拶があり、日タイの自動車産業における歴史的な絆を確認した。また次世代自動車産業の発展に向け、「エネルギー・産業対話」の早期開催を含めた協力の必要性を発信した。
 経産省の松尾剛彦審議官は「GX、DXに対応した自動車産業政策について」をテーマに基調講演し、EV、FCV、ハイブリッド、バイオ燃料や合成燃料の活用を含む「多様な選択肢」を通じて脱炭素化を実現していく重要性を指摘した。マルチパスウェイ戦略が日本の戦略の主軸であることを示した。タイとは次世代燃料、データ利活用、サーキュラー・エコノミーなどの分野を通じて次世代自動車産業の共創を進めたいと述べた。今後も信頼するパートナーであるタイに寄り添い、共に未来を創っていくと語った。
 パネルディスカッションは①アジアの自動車生産/輸出ハブとしてのタイの強みと課題②自動車のサプライチェーンの現況と今後の展望③サーキュラー・エコノミーとエコシステム④水素やバイオ燃料等のポテンシャルをテーマに行なわれた。
 日本とタイは60年以上にわたって強固なパートナーシップを築いてきた。強力なサプライチェーンが形成され、多くの雇用が創出されている。2013年から2022年までの10年間に、日本はタイに約1.2兆バーツを投資し、23年10月時点でタイ国内にある日本企業は5856社に達している。うち2348社が自動車のサプライチェーンに関わり、7万人以上の高度な技能を持つ労働者を雇用している。
 タイは世界の自動車生産・輸出のハブの一つになっている。これまでの成功は、タイ政府やサプライヤー、日本政府を含む多くの利害関係者の努力によるものだが、自動車工業は大きな変化を遂げつつあり、変化への適応を求められている。
 ナリット・トゥードサティラサックBOI事務局長は、タイ政府のEV普及政策により中国製EVがタイ市場に流入する中、タイ国内のエンジン車のエコシステムに与える影響を避けるためにタイ国内での部品供給の強化を図っていると強調した。タイ製部品の使用を促すため、特に中小企業によるタイ国内製造部品を使う企業に追加のインセンティブをBOIが提供する予定だと述べた。
 ナリット事務局長はEV工業とエンジン車工業のバランスを取るため、両方を並行して支援していく必要があると指摘した。EV産業の強化では、バッテリーのセル生産への投資を支援し、使用済みバッテリーの管理やリサイクルを推進する取り組みを進めている。また、今後のEV関連投資では、タイ国内での生産を重視し、輸入依存度を減らす方針を示した。

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