2025年3月28日(金)号

SCG、トヨタ、豊田通商=使用済みEVバッテリー再利用

 サイアムセメント・グループ(SCG)は3月26日、トヨタ自動車、トヨタ・モーター・アジア、豊田通商と連携し、使用済みEVバッテリーを活用した蓄電システム(BESS)の実証プロジェクトを開始した。アマタシティ・チョンブリ工業団地にあるサイアム・トヨタ・マニュファクチャリング社の工場で実施する。


 カーボンニュートラルへの移行が急速に進む中で、再生可能エネルギーの安定供給という課題に対応する。太陽光や風力の電源は天候や時間帯により発電量が大きく変動するため、電力系統の安定性確保と効率的な電力利用には、エネルギーの蓄電・管理システムが不可欠。
 蓄電システムの導入により、再生可能エネルギーの利用が加速すると期待される。また、バッテリーEV(BEV)やハイブリッド車(HEV)の普及が進むことで、使用済み車載バッテリーを再活用するニーズも高まっている。使用済みバッテリーを再利用することで、資源の消費や電子廃棄物を削減するだけでなく、サーキュラー・エコノミーの推進にもつながると期待されている。
 SCGのポラメート・ニサコンセーン副社長は、「このプロジェクトは関係者の連携と努力の結晶。蓄電システムとスマートグリッド技術の融合により、変動性の高い再エネと安定した電力利用のバランスを実現できるようになる」と語った。
 トヨタ・モーター・アジアの前田昌彦CEOも「EVバッテリーを再利用するこの取り組みは、カーボンニュートラル社会の実現に向けた重要な一歩」とコメントした。
 このプロジェクトは、2023年5月に日本で初めて導入された取り組みを基に、SCGとの協力のもと展開される。今後2〜5年間をかけて実施し、収集したデータをもとにアジア地域全体への展開可能性を評価していく。
 分散型蓄電システムという革新的なソリューションを通じて、EVバッテリーの再活用とエネルギーの有効利用を両立させることで、循環型社会の実現に向けた新たなモデルケースとして期待が寄せられている。

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