経済3団体合同委員会=最低賃金400バーツに反対
商業、工業、銀行の経済3団体合同常任委員会(JSCCIB)は5月8日に開いた月例会見で、最低賃金の全国一律400バーツ/日への引き上げに反対の意を表明した。タイ商業会議所(TCC)が50以上の業界団体との連名で同政策に反対する意見書を提出する準備を進めており、タイ工業連盟(FTI)のクリンクライ・ティアンヌクン会長は、JSCCIBとしてこの動きを支持すると語った。
JSCCIBによると、今年のタイ経済の見通しは楽観できず、経済成長率は2.2%増にとどまる可能性がある。従来の予測は2.8~3.3%増としていたが、2.2~2.7%増へと下方修正した。一般インフレ率は0.5~1.0%と予測、0.7~1.2%とした従来の予測から引き上げた。世界貿易が中東情勢の悪化とロシア・ウクライナ戦争から影響を受けていることで、物品輸出が失速することを下方修正の理由としている。国際通貨基金(IMF)は今年の世界貿易数量の伸び率を3.3%から3.0%に引き下げている。世界貿易の減速の結果、今年第1四半期のタイの物品輸出は前年同期比0.2%減となっており、今後もタイの輸出に影響を与える続けることになる。
輸出の低迷は製造業の生産減につながっており、工業経済事務局によれば、3月の工業生産指数は前年同月比5.13%減で、マイナス成長は18か月連続となっている。設備稼働率は前月比で4.4ポイント減少し、62.3%となった。
クリアンクライ会長は、最新の経済指標からは最低賃金を大幅に引き上げるべきでないとのシグナルが発せられていると解すべきだと主張した。同会長は、400バーツへの賃上げ案を再考するよう、労働省に意見書を提出する準備をしている。賃金の大幅な上昇は一部の事業、特に労働集約的な製造業や零細事業者に影響を与えると指摘した。多くの企業は高いエネルギーコストと消費者の購買力低下に対処するために苦労していると窮状を訴えた。
現在の最低賃金は今年1月1日に改定されたもので、各都県単位で330~370バーツとなっている。官労使の代表で構成する中央賃金委員会はその後、観光業が盛んな10都県の一部地区の4つ星級以上のホテル従業員に限定して最低賃金を400バーツとすることを決定。4月13日より適用になっている。
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