最低賃金400バーツ=労相がトーンダウン
5月1日のメーデー前後より、今年10月からの最低賃金の全国一律400バーツ/日への引き上げを公言してきたピパット・ラチャキットプラカン労相の発言がここへ来てトーンダウンしている。使用側がこの構想に強く反対しているためで、13日にはタイ商業会議所が経済界を代表して計画に強く反対する意見書を労相に手渡した。パイロート・チョーティカサティアン労働省次官は、官労使の代表で構成する中央賃金委員会が14日に開く定例会議で最低賃金の改定について慎重かつ徹底的に議論し、一律引き上げではなく、一部セクターの労働者の最低賃金を見直すと述べている。
13日午前8時半頃、労組中央団体のタイ労働連帯連盟と国営企業労働関係連盟の代表がピパット労相と会い、労働者が生活費の上昇に困窮している窮状を訴え、全国での最低賃金の再引き上げを改めて要請した。タイ労働連帯連盟のサーウィット・ケーオワーン委員長は、物価や生活費は全国どこでも変わらないと述べ、全国一律での引き上げを求めている。独自の全国調査からは、労働者が求める最低賃金は最高で712バーツだが、それは無理があるため、希望額が最も多い492バーツへの引き上げを求めた。これに対しピパット労相は、最低賃金引き上げは、すぐには多くの労働者が期待しているものにはならないかもしれないが、引き上げを推進し続けると応じている。
その後、同日午前10時頃には経済界の代表が計画に反対する意見書を労相に提出している[=写真]。意見書には76県の県商議所と92の業界団体が署名している。商議所を代表して意見書を提出したチャニン・チャリサラポン理事(労務委員会副委員長)は、政府が労働者の所得水準を引き上げたいと考えていることは理解し、同意もするが、各界からの意見を聴くことが重要で、全国一律で大幅に引き上げれば、中小事業者の8割は存続できなくなると主張した。
パイロート労働次官は、雇用主の多くが最低賃金を400バーツに引き上げる政府の計画を支持しているが、全国一律で実施することには反対していると語っている。産業界は、賃金上昇がコストを押し上げ、特に中小企業に難題をもたらすことを懸念していると説明した。
賃金委員会の委員長を務める同次官は、年内にもう一度、最低賃金が引き上げられるとしたが、すべての業種や企業に適用されるものではない可能性があると指摘した。改定時期については10月1日と明言した。ピパット労相は、地域ごとの最低賃金の調整と同様、事業の種類ごとの調整も賃金委の権限の範囲内にあると述べている。
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