2024年5月31日(金)号

工業生産に回復の兆し=4月のPMI 19か月ぶり増加

 工業省工業経済事務局(OIE)の5月30日の発表によれば、4月の工業生産指数(PMI)は90.34ポイントとなり、前年同月比3.43%増となり、19か月ぶりに増加に転じた。輸出の回復、観光業の成長、世界経済が回復を始めたことや、比較ベースとなる前年同月の数値が低いベース効果が寄与した。設備稼働率は平均で55.26%。会見したシリペン・キアットフアンフー副事務局長によれば、OIEの通年予測は工業生産指数が0.0~1.0%増、工業部門のGDP成長率が0.5~1.5%。

シリペンOIE副事務局長


 その他一般機械の生産は24.19%増となった。主にエアコンの生産が拡大した。気温の上昇に加え、生産者が微小粒子状物質PM2.5を駆除する空気洗浄機能を搭載するなど、消費者のニーズに応える製品を開発したことで国内需要が拡大したほか、米国、欧州、アジア、中東向けの輸出が伸びた。
 石油精製品の生産は4.78%増。航空燃料油、ガソホール91の生産が伸びた。観光業の成長が続き、今年は特にソンクラン祭りに活気があり、観光客が増えたことや、帰郷のために移動するタイ人が増えたことが貢献している。
 飼料の生産は18.11%増。ペットフード、養鶏/養豚用飼料の生産が伸びた。ペットを家族の一員として飼う傾向が寄与したほか、欧州向けの輸出も好調だった。市場の需要増を受け、海外メーカーからの畜産用飼料の受託生産も増えた。
 一方で、電気回路基板・同部品の生産は17.16%減となった。主に集積回路(IC)とプリント基板(PCBA)の生産が落ち込んだ。
 自動車の生産は6.82%減。ピックアップ・トラック、小型乗用車、大型乗用車の生産が減少した。景気の低迷を受け、国内市場が27.97減となったことが影響した。また輸出も6.81%減少した。
 コンクリート/セメントの生産は7.39%減。床材やコンクリート柱の生産が減少した。不動産開発セクターの成長鈍化によるもので、在庫調整のため、近代的小売店や販売代理店が注文を減らした。
 1~4月平均の工業生産指数は98.28ポイントで、前年同期比2.06%減となった。設備稼働率は59.13%。自動車の生産が9か月連続で収縮していることが響いている。このため通年の工業生産指数は、2.0~3.0%増とした年初の予測を0.0~1.0%増に下方修正した。また工業部門のGDP成長率も2.0~3.0%増の予測を0.5~1.5%増に引き下げた。

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