セントラル・プーケット

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高級品店街を拡張

 セントラル・パタナー社(CPN)はプーケット県における事業拡張を進める。2029年に空港拡張工事の完成が予定され、新たに10か所以上のゴルフ場の開設計画があるなど、世界中から観光客を集めそうなことに対応する。


 セントラル・グループは、2004年に「セントラル・プーケット・フェスティバル」を開業してプーケットに初めて進出した。18年には道を挟んだ対面に「セントラル・プーケット・フローレスタ」がオープンし、現在までに同県内だけでショッピングセンター4か所、百貨店5店、ホテル、コンドミニアムを展開するほか、スーパースポーツ、パワー・バイ、タイ・ワサドゥ、BNBホーム、B2S、TOPSなどの系列店も進出、バンコクに次いで2番目に投資額が大きい都市となっている。CPNに限れば、プーケットのほか南部ではサムイ、スラタニ、ナコンシタマラート、ハジャイの計5か所にショッピングセンターを開設している。
 CPNのナタキット・タンプーンシンタナー社長は、「プーケットは高所得層向けの観光地として開発され、セントラル・グループもイメージ作りに貢献してきた。医療・保養ツーリズム、スポーツ・ツーリズム、教育、スマートシティ、海洋海浜観光、MICEなど多様なニーズに応えられる商業施設や住宅、ホテルなどを配備している」と語る。リビエラ、マイアミ、ハワイなど世界の冠たるビーチリゾートに匹敵し得る観光資源を備えた観光地を目指し、セントラルもその一翼を担う商業資本としての存在感をアピールし続けている。

ナタキット・タンプーンシンタナー社長


 セントラル・プーケット・フローレスタは高級品から日用雑貨まで手に入る多様なニーズに対応できるショッピングセンターとしての地位を確立、「購買力の高い観光客を呼び込むことで観光ローシーズンをなくす(クオンティティ・トゥ・クオリティ・スペンディング)」という政府の方針もあり、年間を通じて安定した来店者数を確保できるようになっている。品揃えと多様なライフスタイルに対応できる店舗は「バンコク以外ではフローレスタが最高」と評されている。
 現在、フローレスタでは高級品店街の拡張を進めており、従来の2000平米から年内に4000平米に倍増させる。さらに25年には8000平米にする計画。取扱ブランド数も14ブランドから30ブランドに増える。フローレスタでの売上が世界の各支店中でトップクラスとなっている国際ブランドでは、既存店のスペースの拡張を進める計画だ。
 プーケットの昨年の観光収入は3800億バーツで、バンコクに次いで2番目に多い。今年は4500億バーツが見込まれている。観光客数も通年で1200万人と予測されている。フローレスタの来店者数は、フェスティバルと合わせて1日あたり8万~10万人で、売上の7割が外国人。高級品店街の拡張は来店者数をさらに2割増やすと期待している。来店者1人あたりの平均出費額はCPNのショッピングセンターの全国平均よりも45%多く、高級品に対する来店者の需要の高さがうかがえる。世界のビーチリゾートで限定販売されている高級品を取り揃えたところにも成功の秘訣がある。2300人に達する富裕な会員の購買力も売上に貢献している。ソンクラン、プライド・マンス、年末年始のカウントダウンなど観光客が集まるイベントを積極的に開催していることも集客力の高さにつながっている。
 現在、タイの高級ブランド品の国内需要は年間1600億バーツと推定され、年平均伸び率は5.62%で、28年にはシンガポールを凌駕すると予想されている。

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