6月の消費者信頼感指数=4か月連続で下落
タイ商業会議所大学(UTCC)が7月11日に発表した6月の消費者信頼感指数は、昨年10月以来の最低水準に低下した。タナワット・ポンウィチャイ学長[=写真右]によれば、世界的な景気減速と国内の政治的不確実性に対する懸念が信頼感の悪化につながっている。6月の指数は58.9ポイントで、前月の60.5ポイントから低下した。指数の前月比での下落は4か月連続。
タナワット学長によれば、消費者は世界的な景気減速、エネルギー価格の上昇、中東での長期にわたる地政学的対立を心配している。セーター政府による景気刺激策、特にデジタルマネー給付に期待しているが、現時点ではまだ漠然としたものにとどまっており、経済が速やかに回復するか確信を持てないでいる。さらに上院議員40人が憲法裁判所に、セーター首相の大臣資格をめぐる憲法判断を求める訴えを起こし、憲法裁が受理したことで政府の安定性が揺らいでいる。
指数の悪化は、景気回復の遅れ、生活費の上昇、金利の上昇、消費者の購買力の低下、地政学的対立に対する懸念を反映しているが、タナワット氏は、政府が予算執行を加速し、第4四半期に消費を刺激するデジタルマネー給付政策が実施されれば、消費者の信頼感は改善する可能性が高いと見ている。
一方、同時に発表した業況判断指数は54.2ポイントで、5月の55.1ポイントを下回った。指数の前月比での下落は2か月連続。家計債務の高止まり、消費者の購買力低下、生産コストを増大させる最低賃金引き上げに対する懸念、困難なローンへのアクセス、25年度予算法の成立に影響を及ぼす可能性がある政治的不確実性などが信頼感を悪化させている。
UTCCは今年通年の経済成長率を2.5%増と予測している。デジタルマネー政策が実施される場合でも成長率は2.8~3.0%増にとどまると見積もっている。タイ経済は、観光業、民間消費、投資、輸出に支えられ、第3四半期には緩やかな回復に向かうが、期待値を下回る成長にとどまるとした。
国家経済社会開発評議会(NESDC)の議長に就任したスパウット・サイチュア氏は、11日にキアットナーキン・パトラ・ファイナンシャル・グループが主催したセミナーで講演し、タイ中央銀行が予測するような第3四半期と第4四半期の経済成長率が3%と4%に達することはないとの見方を示した。中銀の金融政策委員会(MPC)による金融引き締め政策が、個人や中小企業の資金アクセスに影響を及ぼし、借り手の金融コストを増大させていると批判した。中銀の高金利政策が、購買力と経済活動を圧迫しているというのがスパウット氏の見解。現在の2.5%の政策金利は高過ぎ、経済成長を支えていないと述べた。
スパウット氏はまた、コロナのパンデミック前の5年間の実質金利は1.2%で、経済成長率は3%、インフレ率は0.36%だったと述べ、政策金利を下げる必要があると主張している。
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