2024年7月26日(金)号

今年上半期BOI投資申請=件数64%増、投資額35%増

 投資委員会(BOI)事務局の7月25日の発表によれば、今年上半期(1~6月)の投資申請は1412件、前年同期比64%増を数えた。合計投資予定額は4583億5900万バーツで、同35%増。ナリット・トゥードサティラサック事務局長は、タイのポテンシャルとファンダメンタルズ、政府の政策に対する投資家の信頼感を反映したもので、BOIやその他政府機関による投資奨励措置の成果だと述べた。
 BOIの業種分類で合計投資予定額を見ると、電機・電子が最多となる1397億2500万バーツ。自動車・同部品が398億8300万バーツ、アグリ・食品加工が331億2100万バーツ、石油化学・化学が253億4400万バーツ、デジタルが251億1200万バーツで続く。
 経済構造調整にとって重要な未来産業への投資では、ウエハー生産、電子設計、半導体・集積回路組付および検査で10件、195億4300万バーツの申請があった。プリント基板生産は31件、397億3200万バーツ、スマート電子/電機は8件、381億8200万バーツ、データセンターは3件、242億8900万バーツ、機械機器・オートメーションが69件、102億7100万バーツ、再エネ発電が255件、724億7500万バーツだった。
 投資額は大きくないものの、国の競争力強化に大きく貢献する事業もいくつかある。ナレッジベースの事業や国際貿易・投資を支援する事業などで、例えばソフトウェア/デジタル・プラットフォーム/デジタル・コンテンツ開発は59件、8億1200万バーツ、研究開発/生物工学/エンジニアリング・デザイン/科学検査/計測器校正は13件、8億500万バーツ、スマート農業は3件、5600万バーツ、近代的物流センターは11件、23億2700万バーツ、国際ビジネスセンター(IBC)は19件、2億7400万バーツ、国際調達センター(IPO)は16件、7億2800万バーツの申請があった。
 外国人直接投資(FDI)も引き続き拡大している。投資申請は889件を数え、前年比で83%増となった。合計投資予定額は3257億3600万バーツで、同16%増。投資予定額で最多はシンガポールからの909億9600万バーツで、中国の728億7300万バーツ、香港の395億5300万バーツ、日本の299億8700万バーツ、台湾の294億5300万バーツが続く。シンガポールからの投資の増加は、電子産業における中国企業のシンガポール法人による大規模投資があったことが理由。
 事業地別では東部地域が2115億6900万バーツで最多となった。中部が1793億3200万バーツ、北部が329億7200万バーツ、南部が156億9400万バーツ、東北部が140億8700万バーツ、西部が47億500万バーツ。
 1~6月の投資認可件数は1451件で、前年同期比37%増となった。合計投資額は4762億7600万バーツ、27%増。これら認可を受けたプロジェクトにより輸出額は推定で年間1兆3000億バーツ増加し、国内の原材料の調達は4900億バーツ、雇用創出は10万人が見込まれている。
 BOI証発行ベースでは、1~6月に1332件、前年同期比56%増となった。投資額は4387億3300万バーツで、同87%増だった。

外食3社が合弁新会社=アクア、ブンロート、バイヨック

 合わせて8つの外食ブランドを持つ外食3社が、合弁で新たな外食会社を立ち上げる。アクア・コーポレーションが51%、ブンロート・ブリュワリー系列のフード・ファクター社が40%、バイヨック・グループが9%を出資するFabフード・ホールディング社で、傘下のブランドはアクアの「ラーメンです」、フード・ファクターの「サンタフェ」、「サンタフェ・イージー」、「メンセープヌア」、バイヨックの「ソムタム・ジェーデーン・サームヤーン」、「博多一幸舎ラーメン」、「世界の山ちゃん」、「うちだ屋」の8ブランド。現在の店舗数は全部で204店、売上高は16億バーツに達する。合弁新会社は10月にも正式に設立する。


 アクアのチャーイ・ブンナークCEO代行[=写真左から4人目]によれば、新会社の登録資本金は25億バーツ。アクアがうち12億7500万バーツを出資する。同社の総収入に占める外食事業の割合は60~70%で、ほかに倉庫業・物流業がある。今年第4四半期にFabが発足すれば、3億~4億バーツの収益が見込めるため、通年の総収入は10億バーツに達する見通し。一方、倉庫業では7年契約で総額17億バーツの商談がまとまり、今後、年間2億バーツの収入が見込めるようになった。25年の自社の総収入は20億バーツに達する可能性もあるという。
 Fabの創業は規模の経済をもたらす見込みで、仕入れコストや物流コストを2~3%圧縮できる見通し。Fabへの出資金は自己資本で賄う方針で、財務基盤は健全だという。このほど総額6億2900万バーツの社債を償還したばかり。8月には新たに6億バーツの社債を発行する計画。期間は2年9か月、表面利率は7.0~7.2%を想定している。
 ブンロートのプーリット・ピロムパクディ社長[=写真左から2人目]は今回の3社提携について、各社の強みを発揮することで、より強靭な事業態勢を構築できると期待している。「バイヨックは外食事業で実績がり、アクアは機を見るに秀でている。我々の長い事業経験をこれに加え、より強い会社ができる」と語った。
 新会社のCEOにはバイヨック・グループのピヤルート・バイヨック氏[=写真左から3人目]が就任する。8ブランド中、最も店舗が多いサンタフェ(120店)を皮切りにブランド刷新を積極的に進める。ソムタム・ジェーデーンは地方進出を視野に入れている。来年中に新たな焼肉ブランドもポートフォリオに加える計画。来年は全ブランド合わせて40店を新規開店し、総店舗数を250店に増やす。同一店舗で複数ブランドの料理を提供するなど新業態も試みる。都内ワントンラーン区のシーワラー通り(タウンインタウン)に8ブランドが勢揃いした旗艦店を開く計画もある。
 3社の外食事業の収益はフード・ファクターが10億バーツ、アクアが1億バーツ、バイヨックが5億バーツ。消費者の購買力低下で外食業界も競争が激しくなっているが、ピヤルート氏は比較的購買力が高いエリアを見極めて適地に出店していくことで競争を勝ち抜いていく考えを示している。

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