クルンシー・コンシューマー=債務リストラ申請が急増
アユタヤ銀行(クルンシー)の消費者金融部門であるクルンシー・コンシューマーによれば、債務リストラの申請が急増している。コロナ禍の時期に比べても高水準に達しているという。
クルンシー・コンシューマーの責任者であるアティット・ルチラワット氏[=写真]は、コロナ禍からの所得回復が遅れている層があると指摘している。タイ中央銀行が今年初めからクレジットカード・ローンの月々の返済額を残高の5%から8%に引き上げたことも影響しているという。「責任ある融資」に関する規制枠組が強化され、中銀が金融機関による債務リストラを奨励する方針を打ち出したことが申請増をもたらしている。
上半期の同社の新規ローンの口座数は前年同期比7%増の28万7000件で、伸び率は業界平均を下回っている。審査を厳格にしたことが背景にある。ただし同CEOは、通年では前年比10%増の61万7000件に達すると見ている。
審査の厳格さが不良債権の低さに現れており、6月末現在の同社の不良債権比率は市場全体の2.9%に対して1.4%となっている。最低返済額が引き上げられた直後は不良債権が一時的に膨らんだが、それも落ち着いたという。
カードローンの審査合格率は40%、個人ローンは30%。従来より1~2%ほど低下した。顧客のカード利用額は上半期に9%伸びて1890億バーツとなった。通年では8%増の3930億バーツを見込んでいる。
今年の新規融資額の目標は前年比9%増の1000億バーツ。年末時点の与信残高は2%増の1510億バーツを見込む。
アティット氏は今年の経営方針として、①顧客のニーズを満たす商品開発と改良、②パートナーのエコシステムを拡大してビジネスを成長させる、③決済イノベーションの推進、④クルンシーグループ内の協力によるビジネスチャンスの創出、⑤業務効率向上の5項目を挙げた。
GPSCとケッペル=地域冷房事業に進出へ
PTTグループの発電会社、グローバル・パワー・シナジー社(GPSC)は、地域冷房システム(DCS)事業に進出する。シンガポールのケッペル社と合弁会社を設立、商業施設や工場などの冷房システムを請け負う。このほど合弁事業の契約を取り交わした。
DCSは断熱配管の地下ネットワークを介して、センターで生成した冷水を複数の建物に配送する集中型の冷房システム。低炭素化を実現するシステムとして近年注目されている。
GPSCの完全子会社、コンバインド・ヒート&パワー・プロデューシング社が51%を出資する。
ケッペルとはEV充電ステーション、再生可能エネルギー証書(REC)関連サービスも展開している。RECは再エネ発電の環境価値を証明するもので、カーボン・クレジット同様に取引できる証券。
GPSCのウォラワット・ピタヤシリ社長兼CEOは、ケッペルとの提携で、より包括的なエネルギー関連サービスを提供できるようにしたい考え。相互の経営資源や知識・ネットワークを共有することで事業基盤を拡充していく。
ケッペルのシンディー・リムCEOは、「サービスとしてのDCS」のタイにおける普及に貢献していきたいと述べた。
今年第2四半期のGPSCの総収入は前年同期比363%増の239億バーツ、純利益は65%増の14億3000万バーツ。小規模民間発電事業の電力と蒸気の販売増が貢献した。
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