最低賃金改定は持ち越し=23日の会議で再審議
官労使の代表で構成する賃金委員会は12月12日に会議を開き、最低賃金の改定について協議したが、決定は持ち越した。会議後に会見したブンソン・タップチャイユット委員長(労働省次官)[=写真中央]によれば、次回会合は23日に開く。
この日の会議は午前10時に始まり、約2時間を費やした。会議では政府代表委員2名の辞任により、新たに就任した委員2人の任命を了承したほか、最低賃金の調整に関する手続き、条件、詳細、法的側面について合意した。また新たな賃金は23日に予定する次回会合で審議することでも合意した。
最低賃金は各県ごとに設けられている賃金委員会が改定案をまとめて中央に上げ、中央賃金委が調整する仕組み。消息筋によれば、各県の賃金委で最低賃金の400バーツ/日への引き上げを提案しているのはプーケット県とサムットプラカン県のみ。引き上げを提案していない県も22県ある。
ブンソン氏は、各県の経済状況で最低賃金は決まると述べ、全国一律で400バーツにすることはできないとコメントしている。この日の会議に政府代表の委員2人が欠席したことについては、緊急の用事があったと説明した。
雇用側代表のアッタユット・リーヤワニット委員[=写真左]は最低賃金の調整に異論はないが、慣例に従うものでなければならないとコメントしている。また改定幅については各県の経済状況を確認する必要があるとした。
タイ商業会議所(TCC)の筆頭副会頭で、労働・技能開発委員会の委員長を務めるポット・アラムワタナノン氏は12月9日に開いた記者会見で、タイ工業連盟(FTI)とタイ銀行協会(TBA)を含む経済3団体の総意として、生活の質をより良くするために労働者の所得水準を引き上げることには同意するが、最低賃金を全国一律400バーツに引き上げる政策には深刻な懸念があると主張している。
全国一律400バーツに引き上げる政策は、各県ごとに異なる経済社会の現実と一致せず、特に農業、サービス業を中心にあらゆるレベルの企業の雇用に影響を及ぼすというのが雇用側の主張。
一方、労働側代表のウィーラサック・ケーオブンパン委員[=写真右]は各県の賃金委の提示は昨年7月時点の情報をベースにしているが、その後に多くの変化もあったとし、考え直さなければならないと説明した。この日の会議で、一定の方向性は決まったもようで、23日の会議で同じ数字になる可能性もあれば、減額または増額される可能性もあるとしている。ウィーラサック委員は「400バーツという数字は労働側の希望だが、どうなるかは3者構成の賃金委が検討すること。政府も望んでいるが、雇用側が耐えることができるものでなければならない」とコメントした。
財務相提案の税制改革=野党民衆党は批判
通常国会が開会した12月12日、最大野党の民衆党はピチャイ・チュンハワチラ副首相兼財務相が先に提案した税制改革を批判した。民衆党のシリガンヤー・タンサクン氏は、政府がより多くの歳入を確保するために税構造を改革することに同意するが、提案は明確な説明の下で国民に支持されなければならないと指摘した。
ピチャイ氏は12月3日に開催されたセミナーの講演で、法人税と個人所得税を引き下げる代わりに付加価値税を15%の水準にまで引き上げると発言している。シリガンヤー氏によれば、法人税を20%からOECDが定める世界最小税率に等しい15%に引き下げ、個人所得税も5~35%の累進課税を15%の単一の税率に改める一方で、付加価値税は7%から15%に引き上げるとした税制改革の素案を財務相が示している。
シリガンヤー氏は法人税率の引き下げは年間約1900億バーツの税収の減少につながる可能性があるほか、月収3万バーツ未満の個人の所得税負担が増えることを指摘。この構想が国により多くの税収を生み出すのに役立つのかどうかは疑問だと述べた。ピチャイ氏が約束したように、国民への影響を最小限に抑えながら、税収を増大させることができるのか、国民は混乱しているとした。
チュラパン・アモンウィワット財務副大臣は質問に答えて、貧困層に福祉を提供するための財源確保のため、より多くの歳入を生み出す方法を財務省が研究していると述べた。タイの税収はGDPの約14%にとどまっており、世界平均の18%を下回ると説明している。
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