アヌティン首相が迅速な始動を約束=経済・国境紛争・自然災害・社会問題
アヌティン・チャーンウィラクン首相[=写真]は、経済的困難の緩和やカンボジア国境の緊張緩和に向け迅速な行動に乗り出すと誓った。9月7日に国王から首相任命の勅命を受けた後、プームチャイタイ党本部で記者会見を行ない「国民に約束する。私と閣僚は心身と知力のすべてを注ぎ、現在の危機を迅速に克服する」と述べた。自身を支持した民衆党に感謝を表明し、「合意通り、4か月以内に下院を解散する。閣僚と私は休日を返上し、家族と過ごす時間も惜しんで職務に専念する」と語った。そのうえで、限られた任期内で効率的に働ける有能な閣僚のみを任命すると強調した。

アヌティン氏は、経済、カンボジアとの紛争、自然災害、社会問題の4つを優先課題として掲げた。経済面では家計の生活費やエネルギー・交通費の軽減、債務問題への対処、国民、企業、地域社会の所得向上を約束した。国境問題では「1㎡たりとも領土を譲らない」と強調しつつ、平和的解決を追求し、武力衝突で被害を受けた国境地帯の世帯に迅速な補償を行なうとした。
自然災害対策では、早期警戒システムの強化や補償・復興制度の拡充を進め、内相時代に開始した取り組みを発展させると述べた。さらに、麻薬や人身取引、詐欺、賭博に対する取り締まりを強化する方針を示した。
アヌティン氏は、「4つの課題の解決にあたって、全面的な協力と調整を得て迅速かつ効果的に実行したい。経験豊富な閣僚が揃っており、試用期間は不要だ。宣誓式の直後から即時に職務に取りかかる」と述べた。また、クルンタイ銀行(KTB)の元最高経営責任者のウォラパック・タンヤーウォン氏を財務副大臣に任命すると発表した。これより前に発表した3人の非議員閣僚候補に続く、政界外からの4人目の起用となる。
法学者のボウォーンサック・ウワンノー氏が、法務担当副首相として入閣することも決まった。2015年憲法起草委員会の委員長を務めたボウォーンサック氏は8日、入閣要請を受け入れたと明らかにした。チュラロンコン大学法学部の元学部長で、内閣法制委員会の事務局長を務めたキャリアの持ち主で、首相は、プラユット政権で法務担当の副首相を務めたウィサヌ・クルアガーム氏と同様の役割を期待している。
アヌティン氏は、組閣について、閣僚名簿はほぼ固まったとしつつも、国王への提出前の発表は控えると述べた。
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