22日のアセアン特別外相会合=停戦は成立せず、24日にGBC会合
シーハサック・プアンケートゥケーオ外相は12月22日のアセアン特別外相会合後の会見で、現時点では停戦は成立していないと述べた。24日にタイ・カンボジア両国による一般国境委員会(GBC)の協議を行なう予定と明らかにした。
マレーシアで開催されたアセアン特別外相会合[=写真]は、2時間を超える協議にもかかわらず、戦闘停止で合意できなかった。会合ではタイ・カンボジア情勢について協議が行なわれ、アセアンとして現在の状況に強い懸念を抱いており、どのように事態の沈静化を支援できるか意見を交換した。停戦という具体的な成果は得られなかったが、シーハサック外相は、会合を主催したマレーシアに謝意を示し、アセアンのリーダーシップを示すものと評価した。

議長を務めたマレーシアのモハマド・ハサン外相は、タイとカンボジアに対し、既存の合意や和平の取り決めを完全かつ効果的に履行するよう求めた。また、民間人の犠牲と長期化する紛争について深い遺憾の意を表明した。
アヌティン政府はシーサケート県でタイ兵が負傷した地雷爆発を含む一連の挑発行為を受け、11月10日に共同声明の履行を停止。12月7日には再び激しい戦闘が始まり、砲撃の応酬が激化し、タイ空軍はカンボジア側の武器庫や詐欺拠点、カジノへの空爆を実施した。国境での紛争は戦闘開始からすでに2週間以上が経過している。
シーハサック外相は外相会合での協議のなかで、タイはこれまで一貫してカンボジアに善意をもって接してきたと述べ、同国の内戦時には和平の実現を支援し、国境を開いて難民を受け入れ、和平後も経済復興を支援してきた経緯を説明した。国境問題については前政権時から二国間枠組みで解決を図ってきたが、カンボジア側が国連の枠組みに持ち込もうとしたことに言及し、問題解決には相互の信頼が不可欠と指摘した。
外相は、10月26日の共同声明は平和への道筋であるが、武器の削減、兵力の縮小、地雷除去、詐欺犯罪対策、不法侵入問題の解決といった内容が実際に履行されなければならないと指摘した。共同声明署名後もタイ兵が地雷を踏む事故が7回発生し、カンボジア側から明確な説明が得られていないことが、国境での衝突や戦闘の拡大につながったと述べた。
今回の会合は相互に非難する場ではなく、現状を共有し今後どう前進するかを話し合うためのものだったと説明した。カンボジアは公の場で停戦について言及してきたものの、タイと直接この問題を協議したことは一度もなかった。そのためタイ側は、両国の軍事代表が可能な限り早期に直接協議することを提案し、カンボジア側が独自の提案を示すことも妨げないとした。シーハサック外相は、停戦が声明だけで成立するものではなく、協議と具体的な措置、検証体制が必要なことを指摘し、この点については会合参加国の外相から理解を得たとした。
外相によると、タイは両国軍による早期協議を提案し、最終的にカンボジア側から12月24日にGBC会合を開く提案があり、これに異議はないと応じたことを明らかにした。会合では各種措置や検証主体について協議する予定で、タイは国の尊厳と名誉を守り、主権を擁護するという原則を堅持していると強調した。今回の事態はカンボジア側の共同声明違反に端を発しており、地雷問題は単なる事故ではなく、極めて重要な問題だとした。
共同声明の履行に立ち戻るためには、まず真の停戦が必要であり、それは言葉による宣言ではなく、実質的な行動によって示されなければならないと述べた。停戦協議の一環として、国境全域における地雷の除去を共同声明に基づき実施する必要があると指摘した。
外相は、停戦は協議を通じて初めて成立するものであり、24日の協議で合意に至るかどうかは、その結果次第だとし、現時点では停戦は成立していないと改めて強調した。
GBC会合は、第三者の仲介を伴わず、タイとカンボジアの軍代表が直接参加する形で、チャンタブリ県で開催される。タイの立場として、まず交渉が必要で、いかなる停戦も具体的な行動を伴うものでなければならないと繰り返した。
一方、米国は引き続き、タイとカンボジアに対し、戦闘を終結させ、クアラルンプール和平合意を完全に履行するよう呼びかけている。米国務省は声明で今回のアセアン特別外相会合を歓迎する声明を出していた。
その他のニュース
[経済ニュース]
11月の自動車生産台数=13万222台、3か月連続増
11月の二輪車生産台数=20万9161台、28.95%増
バッテリーEV=11月の新規登録1万2037台
シーハサック外相が日本を公式訪問=包括的戦略的連携の深化で一致
工業製品規格事務局=一般構造用熱延鋼板を厳格管理
ラオス商工相=カンボジア再輸出は違法で不可能
グーグルがAI導入加速=「PanyaThAI」開始
ORのSS内ホテル開設=経営陣が青信号
10月の新規事業所登録は鈍化=外資の投資は大幅増
AISが人材を最優先=DEIを経営の中核に
[社会ニュース]
タイ・カンボジア国境紛争=タイ軍が戦略拠点を相次ぎ奪還
第5タイ・ラオス友好橋=12月25日に正式開通
LINEで災害情報の信頼性向上=Safety Check通じ誤情報防止
[トピックス]
第33回SEAゲームズ総括=タイは金メダル史上最多記録
[企業]
セントラルパタナー=カウントダウン・イベントに5億バーツ
[講演]
ウィタイ・ラタナコーン中銀総裁=低成長定着に強い危機感
[セミナー]
今年をどう生き残るか?来年着実に成長するには?
[データ]
自動車生産台数


コメント