2026年1月30日(金)号

12月の工業生産指数は2.52%増=昨年通年では0.78%減

 工業経済事務局(OIE)が1月29日に発表した2025年12月の工業生産指数(MPI)は93.27ポイントとなり、前年同月比で2.52%上昇した。前年同月比での指数の上昇は3か月ぶり。自動車生産の継続的な拡大、工業製品の輸出の拡大に加え、政府による購買力下支え策が寄与した。第4四半期(10~12月)平均のMPIは92.95ポイントで、前年同期比で0.47%減。2025年通年のMPIは95.81ポイントとなり、前年比で0.78%の小幅減となった。
 スパキット・ブンシリ事務局長[=写真]によると、2025年12月のMPIは前年同月比2.52%増、設備稼働率は57.60%だった。自動車生産が引き続き拡大していることに加え、事業者が前年に販売した輸入EV1台につき1.5台分のEVを国内で生産する必要があったこと、工業製品の輸出が18か月連続で拡大していること、さらに「コンラクルン・プラス」事業による個人消費の拡大が背景にあると分析した。このほか、国内旅行支援の「ティアオディー・ミークン」やタイ中央銀行による政策金利の0.25%幅引き下げも寄与した。2025年通年のMPIは前年比0.78%減と小幅なマイナスにとどまり、平均設備稼働率は58.67%となった。


 12月に工業部門を圧迫した要因としては、バーツ高による輸出価格競争力の低下、米国の対外強硬姿勢と長期化する地政学的リスクから世界の貿易・投資環境が悪化し、企業が投資判断を先送りしている点が挙げられる。タイ・カンボジア国境の不安定な状況は国境貿易に影響を及ぼし、消費財、自動車・同部品などの産業が打撃を受けた。外国人観光客の減少は、食品、靴、飲料などの産業に影響を及ぼした。
 今年年1月のタイの工業経済に関する早期警戒システムは、「警戒シグナル」を灯している。国内要因では、世界の貿易政策への懸念やバーツ高を背景に受注への信頼感が低下しており、引き続き警戒が必要となっている。一方、民間投資は設備分野を中心に改善している。海外要因も警戒シグナルが出ており、EUとアセアンで製造業が減速する一方、中国とオーストラリアの輸出は拡大した。
 EUの炭素国境調整メカニズム(CBAM)は、1月1日から実際の課金が開始されている。タイの事業者、特に鉄鋼・鋼材、アルミニウム製品分野は、具体的な対応と準備を急ぐ必要がある。こうした状況を踏まえ、OIEは、タイの鉄鋼業を「グリーン・スチール」へと高度化する戦略の推進に取り組んでいる。生産工程における汚染物質の排出を基準に沿って管理し、製品のライフサイクル全体を通じた二酸化炭素排出量の削減を図る。スパキット氏によれば、タイ・グリーン・スチール(Thai Green Steel:TGS)は、炭素排出度の目標を3段階で設定し、再生可能エネルギーの利用拡大に重点を置くことで、事業者の競争力を強化し、世界市場で一段と厳格化するグリーン貿易ルールに対応していく。
 12月にパーム油の生産指数は、前年同月比45.64%増となった。パーム原油と精製パーム油の生産が増加した。降雨量の増加や天候条件が良好だったことにより、パーム椰子の市場供給量が増えた。
 自動車の指数は、前年同月比5.02%増となった。排気量1800cc超の乗用車、EV、排気量1800cc超のハイブリッド乗用車、ピックアップトラックが主に増加した。前年は一部メーカーが一時的に生産を停止していたため比較ベースが低いローベース効果が働いたことに加え、EV3.0措置の終了を前にEVの生産を前倒しで進めたことが背景にある。
 電子部品と電子回路基板は、前年同月比10.52%増となった。その他電子部品、集積回路(IC)、プリント基盤アッセンブリ(PCBA)を中心に、生産が拡大した。世界の電子機器市場が成長していることで、受注が増加した。
 一方、砂糖は、前年同月比17.71%減となった。主に粗糖生産が減少したことによるもので、前年と比べてサトウキビの工場への搬入量が減少したほか、タイ・カンボジア国境情勢がサトウキビの収穫に影響を及ぼし、製糖工場が一時的に操業停止を余儀なくされた。また、年末にかけてサトウキビの受け入れ計画を見直したことも影響した。
 その他汎用機械は、前年同月比14.27%減となった。販売代理店が在庫過多を理由に発注を抑制した。
 コーヒー・茶・飲料用ハーブ粉末は、前年同月比85.89%減と大幅に落ち込んだ。主にインスタントコーヒーの生産が減少したためで、大手メーカーが昨年1月以降、生産を停止していることが理由。

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