2026年2月4日(水)号

金取引、1日5000万バーツ上限=中銀が通貨安定へ新規制

 タイ中央銀行は、為替変動を抑制し、経済に影響を及ぼしかねないバーツの急騰を防ぐ取り組みの一環として、デジタル・プラットフォーム上でのバーツ建て金取引について、1日当たり取引上限を5000万バーツに設定する方針を明らかにした。
 1月28日、マティチョン・グループ主催のセミナー「Thailand Blooming 2026」に出席したウィタイ・ラタナコーン総裁は、モバイル・アプリを通じたバーツ建て金取引を監督する新たな通達を3月1日に発出すると述べた。


 この通達には、当初3つの措置が盛り込まれる。第1に、1個人の1日あたり取引上限を5000万バーツに設定する。第2に、2000万バーツを超える取引について、金取引業者に報告を義務付ける。第3に、ネット決済や空売り取引の禁止など、詳細を後日発表することになる追加規則を導入する。
 ウィタイ総裁は、新たな規制を遡っては適用しないと強調した。金を保有している人は、これまでどおり売却できる。新基準が適用されるのは、デジタル・プラットフォームを通じてバーツで行なわれる新規の金の購入のみだと説明した。
 中銀は、金取引とバーツ相場の動きとの関連について監視を続ける方針。バーツが経済のファンダメンタルズと乖離した状態が続く場合、取引上限を5000万バーツから引き下げる可能性もあるとした。
 また中銀は、デジタル取引や小切手決済ではなく、1件当たり300万~500万バーツ規模の多額の現金引き出しについて、金融機関に報告を指示した。不審な取引とみなされ、不正資金と関連している可能性があるため。
 金融機関に協力を求めた結果、銀行からは複数の不審な事例が報告されており、中銀が現在、調査している。不正な資金の流れが確認された場合には法的措置を講じる。中銀は、こうした取引の監督を強化する追加の通達の発出も準備しており、2か月以内に発表する予定だ。
 さらに、総選挙期間中に、グレーマネーや票買収と関連する不正な資金の流れが確認された場合、資金洗浄防止取締事務局(AMLO)と選挙委員会(EC)事務局に通報し、対応を委ねる方針を示した。
 総裁は、グレーマネー、地下経済、不十分なガバナンスが、タイ経済を蝕む構造的な問題と指摘した。紙幣の発行主体として、中央銀行はこれらの問題に対処する役割を果たす必要があるとの認識を示した。
 タイ経済は潜在成長率を下回る状態が続いており、家計や中小企業は脆弱な状況にある。こうした課題に対応し、中銀は経済の回復と持続的な成長を支える役割を担わなければならないと述べた。
 一方で、金融政策だけでは、長期的に経済の安定性を脅かしかねない構造的問題を解決することはできないとも語り、官民を含む幅広い取り組みの必要性を強調した。

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