2026年2月11日(水)号

クルンシーが2026年事業計画=「ONE Krungsri」で持続可能な未来へ

 アユタヤ銀行(クルンシー)は2月5日、2026年の事業計画を発表した。「ONE Krungsri 結集の力で持続可能な未来へ(ONE Krungsri for a Sustainable Future)」を中核戦略に掲げ、国内外のグループ力を結集するとともに、データ/AIを活用した顧客支援を強化する。社会・サステナビリティ事業向けポートフォリオは、2030年までに3500億バーツに増やす方針を示した。


 大和健一頭取兼CEO[=写真]は、タイ経済が家計債務の高止まりや中小企業の競争力低下、気候変動への対応といった構造的課題に直面するなか、クルンシーは、タイ中央銀行が指定するシステム上重要な金融機関(D-SIB)として、単なる資金供給者にとどまらない役割を果たす必要があると述べ、自行を家計部門や中小企業に寄り添い、経済全体の強靭性を高める「パートナー」と位置付けた。タイ国内の各事業部門に加え、アセアン地域と三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)のネットワークを含むグループ全体の力を結集し、顧客に対してシームレスな金融体験と統合的なソリューションを提供していく考えを示した。
 大和CEOは、2026年の事業運営において、あらゆる側面で持続可能性の強化を進めるとし、5つの構造的な緊急アジェンダを提示した。
 第1は、家計債務問題の緩和。危機時の資金繰りを補う緊急支援に加え、政府と連携して真に支援を必要とする家計へ債務解決策を届けるとともに、個々の返済能力に応じた債務再構成と金融リテラシー支援を組み合わせ、持続可能な形での問題解決を目指す。第2は、タイ経済の中核を担う中小企業の強化。生き残りだけでなく、環境変化に適応し、継続的に成長できるよう金融面から後押しする。
 第3は、国の競争力の向上で、政府、産業界、教育機関との連携を通じ、投資とイノベーションを促進し、地域レベルの機会を結び付ける。第4に、気候変動分野への取り組みを急ぎ、低炭素経済への移行を具体的かつ包摂的に進める。第5に、透明性と安定性を重視し、金融システムに対する持続的な信頼を構築することを挙げた。
◆3つの戦略的柱
 クルンシーは、2026年に向けた実行指針として3つの戦略的柱を設けた。
 第1の柱は、カスタマーファーストで、顧客一人ひとりに合わせて設計した金融ソリューションを通じ、個人、法人、投資家それぞれに対し、シームレスで包括的な顧客体験を提供する。
 第2の柱は、Transform with AI & Technologyで、AIとデジタル技術の導入を加速し、業務効率の向上とリスク管理の高度化を図る。あわせて、ITインフラやコアバンキングシステムを刷新し、将来のビジネス機会に備える。
 第3の柱は、ONE Krungsri Collaborationで、グループ内の連携を一段と強化するとともに、MUFGのグローバルネットワークを活用し、地域横断型の成長を支援する。
◆戦略から実行へ
 クルンシーは、戦略を具体的な行動へと落とし込むことで、顧客体験の高度化を進めている。アプリ、支店、コンタクトセンターを連携させたワンストップサービスの強化に加え、持続可能な金融や能力構築に関するソリューションの開発を進める。
 さらに、投資銀行業務におけるアドバイザリーサービスや包括的なリスクマネジメント・ソリューションを通じ、企業価値の向上を支援する。MUFGのネットワークやグローバルパートナーとの協業を深め、データ駆動型のデジタルイノベーションとテクノロジーを融合させることで、顧客にとって最適なビジネス機会の創出を目指す。
◆2026年の見通しと長期目標
 2026年の業績見通しとして、貸出残高の成長率は2~4%、純金利マージン(NIM)は全体で4.0~4.3%、国内のNIMは3.25~3.50%を想定する。費用対収益比率は40%台半ばの水準を維持する計画だ。
 同時に、ネットゼロ目標の達成に向けた取り組みを具体化し、社会・サステナビリティ事業向け金融のポートフォリオを3500億バーツへ引き上げる。バリューチェーン全体の強靭化を支える金融ソリューションの開発にも注力し、長期的かつ持続的な成長の実現を目指す。
 大和CEOは、業績、イノベーション、社会的責任の3つの要素のバランスを重視しながら、テクノロジーと協働の力によって駆動される次世代の金融エコシステムへとクルンシーを導いていく考えを示し、顧客、パートナー、社会全体の成長可能性を引き出していくと語った。

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