新年から最低賃金を改定=全国一律400バーツ目指す
労働省は労働者への新年の贈り物として、1月1日から最低賃金の全国一律400バーツへの引き上げを目指している。当初は今年10月1日からの引き上げを目指していたが、官労使の代表5人ずつで構成する賃金委員会の委員の任期が切れたこともあって実現しなかった。政府は新たな賃金委が発足すれば、12月初めに会議を開くことにしている。この会議では最終的な決議には達しない可能性があるが、12月中にもう一度会議を開いて決定し、年初からの実施を見込んでいる。全国で400バーツに引き上げるが、中小企業については1年間の猶予を設けるとした構想が浮上している。
官代表の委員については、今年10月からの改定を目指していた時期、タイ中央銀行代表委員がすでに中銀を定年退職し、政府代表委員としての資格を喪失しているとの見解が浮上した。このため新たな官代表委員の1人は中銀に代わって財務省が出すことを想定している。報道によれば、官代表委員は2人の欠員があり、19日に開く閣議で任命されることになっている。
プアタイ党の事実上のオーナーと目されているタクシン元首相は、地方選の同党候補の応援演説のためにウドンタニ県を訪問した14日のスピーチで、プアタイ党主導の政府は最低賃金を400バーツに調整した後、さらに700バーツに引き上げ、大卒初任給は1万5000バーツから2万5000バーツに引き上げると発言している。
昨年の総選挙で、プアタイ党は4年の政権任期中に最低賃金を600バーツに引き上げるとした選挙公約を掲げた。セーター前政権はこの公約実現のため、ひとまず全国一律400バーツに引き上げる方針を打ち出していた。
現在の最低賃金は今年初めに改定されている。その前はプラユット政権時の22年10月だったため、1年3か月ぶりの改定だった。各都県の賃金委が上げた改定案を中央が調整して都県ごとに最低賃金を決めることになっている。この慣例を破り、政治主導で全国一律に最低賃金を大幅に引き上げたのは、タクシン元首相の実妹のインラック政権で、2013年1月1日から300バーツに引き上げた。
今年1月からの改定に、政治は干渉していなかったが、当時のセーター首相は南部国境3県(ヤラー、ナラティワート、パッタニ)の上げ幅が2バーツにとどまったことに強い不満を表明し、賃金委に再考を求めた経緯がある。1月1日付けで施行になった最低賃金はプーケット県が最も高い370バーツ、首都圏(バンコク、ノンタブリ、パトゥムタニ、サムットプラカン、サムットサーコン)が363 バーツで、南部国境3 県が最も低い330バーツ。セーター氏は賃金が13年から10年経っても1~2割しか上がっていないことを示し、全国一律で大幅に引き上げる方針を政権発足当初から示していた。
最低賃金の全国一律での400バーツへの引き上げはセーター前政権では実現しなかったが、政治からの圧力を受けた賃金委は3月に開いた会合で今年4月13日から10都県の5つ星ホテルの従業員に限って、一律400バーツに改めることを決定している。
首相が習主席と首脳会談=来年に50周年記念式典
APEC首脳会議出席のためペルーを訪問したペートンターン首相は11月15日現地時間午前10時、デルフィネス・ホテル・リマで中国の習近平国家主席と会談した。会談では二国間レベルの協力を強化することを改めて確認した。首相は中国が2026年のAPEC議長国を務めることを祝福し、来年はタイと中国の友好の黄金の年にしたいと述べた。タイと中華人民共和国の関係樹立50周年を記念した祝典を開催する。習主席は「中国とタイは極めて特別な友好関係にある。経済、貿易、文化、教育分野を含む、あらゆるレベルで緊密な協力関係を築いている」と述べ、50周年を機に中国とタイの関係が益々発展することへの期待を表明した。
ペートンターン首相は、中国を大きく前進させた「新質生産力」政策を称賛し、世界のルールを遵守し、開かれた自由貿易を通じてグローバル化を促進することを目指したタイの成長戦略にも合致すると述べた。
習主席はタイがBRICSの一員になることを支持すると伝えた。中国がアジア協力対話(ACD)やメコン・瀾滄協力枠組(MLC)に積極的に関与し、科学、宇宙、イノベーション、クリーン・エネルギーやデジタル技術などの新たな分野で協力する用意があることを明らかにした。
首相は中国が仏舎利の一つである仏陀の歯(タイ語でプラキアオケーオ)を貸与してくれることに謝意を示し、12月4日に国王を讃えるサナームルアンでの式典で供養すると伝えた。15日にはチューサック・シリニン総理府相がタイ代表団を率いて中国を訪問し、仏舎利をタイにお招きして安置する手順について協議した。中国保有の仏歯がタイに来るのは2002年に次いで2回目。今年12月5日から25年2月14日まで一般公開される。
APEC首脳会議を終えたペートンターン首相は11月16日午後6時にリマを発ち、18日午前11時にタイに到着予定。
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24年11月12日
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