ピチャイ商業相が日本訪問＝日鉄に投資増呼びかけ
ピチャイ・ナリプッタパン商業相［＝写真中央］はこのほどタイ代表団を率いて日本を訪問した。12月20日には日本製鉄本社を訪問し、橋本英二会長兼ＣＥＯ［＝写真中央右］と会談した。政府が低品質な鉄鋼の流入を防止し、公正な取引慣行を保証すると伝え、タイへの投資増を求めた。特に輸入鋼材の代替となる高品質な鉄鋼の生産や、世界的に需要が高まる環境に優しい「グリーンスチール」の生産拡大で検討を促した。
日鉄はタイを重要な生産拠点に位置づけており、米国とインドに次いで3番目に重要な投資先になっている。タイで60年以上にわたって事業を手掛け、最近ではホットコイル製造のＧスチールとＧＪスチール社を買収している。2社の戦略的買収は日鉄がタイの経済発展に貢献する意思を示すもので、さらなる投資でタイにおけるプレゼンスを強化することにしている。
ピチャイ大臣はタイの投資環境が改善し、今年の物品輸出が5％増に達する見通しにあることや、プリント基板、半導体、ＡＩ、データセンターなどの未来志向の産業の誘致に焦点を当てていることを説明した。「タイはこれら先端産業を支援する準備が整っており、日鉄の投資増を楽しみにしている」と述べた。国内の製造業支援に向けた政府の取り組みも紹介し、低品質な輸入品の取り締まりやアンチダンピング規制のタスクフォースの設置にも言及した。商業省が国内市場を保護しながら外国人投資の奨励に全力を尽くしていると強調した。
日鉄が採用している二酸化炭素排出量を33％削減できる水素を利用した製鉄技術とグリーンスチールのグローバルな基準を設けたことを称賛した。ピチャイ大臣によれば、タイの鉄鋼業に輸入品との競争などの課題があるにもかかわらず、日鉄はタイへの投資に信頼を寄せ、数十億バーツの投資を計画している。投資を円滑に進めるためタイ政府が全面的に支援すると約束したことを明らかにした。
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