タイを持続可能な投資ハブへ=BOIセミナーで成長戦略を発表
ペートンターン首相は3月12日、投資委員会(BOI)の年次セミナー「Ignite Thailand: Invest in Endless Opportunities」で講演し、無限の投資機会を強調した。政府が関連機関と協力し、新産業への投資のエコシステムを構築することで、タイを持続可能な世界的投資ハブへと発展させる意向を示した。
ナリット・トゥードサティラサック事務局長によれば、都内のアテネ・ホテルで開催されたこのイベントには、国内外の投資家、政府機関や民間企業の経営者、教育機関、研究機関、金融機関、メディア関係者を含む約1000人が参加した。首相のほか、ピチャイ・チュンハワチラ副首相兼財務相が登壇し、「世界的投資先としてのタイの準備状況」について講演した。また、新産業への移行を推進するため、BOIと関連省庁の次官がパネルディスカッションを実施した。
◇タイの投資環境
首相は、グローバルな投資環境の不確実性が高まる中、タイは政府と民間企業が協力し、成長の機会を生み出していくと強調した。特に、インフラ投資の加速が必要だとし、高速鉄道の建設、複線鉄道の第2フェーズ、レムチャバン港開発第3フェーズ、空港の拡張、アンダマン海とタイ湾を結ぶ「ランドブリッジ」プロジェクトを推進し、タイを東南アジアの物流拠点へと発展させる計画を示した。
昨年に過去10年で最高となる1.13兆バーツの投資申請を記録したことについて、BOIの努力が実を結んだとし、政府がさらなる施策を進めていくと述べた。特に、未来産業分野である半導体、データセンター、クラウドへの投資を振興するため、テクノロジーインフラの整備を急ぐ考え。専門人材の育成も重要視し、8万人以上の技術者を養成する計画を発表。加えて、世界中から優秀な人材を呼び込む考えも示した。投資を円滑にする規制緩和や、製造業、農業、食品、観光、医療など、タイが強みを持つ産業の競争力強化を進めると述べた。
◇投資誘致でトップセールス
ピチャイ副首相は、政府が過去6か月間にわたり、米国、欧州、アジアの企業と投資誘致に向けた協議を続けてきたと説明した。これらの企業の多くはすでにタイに投資しているが、新たな産業への進出を進めている。これら企業との協議は、半導体、電子機器、次世代自動車、バイオテクノロジー分野への投資誘致に焦点を当てた。ピチャイ氏は、1.13兆バーツの投資申請額は、タイの投資環境が世界的に評価されている証しだと述べた。
政府は通商交渉を積極的に進めており、23か国との合意が成立していることを紹介し、企業にとってタイ市場の魅力は一層増すとした。
ピチャイ氏は、タイは既存の産業基盤が強固で、特に、自動車産業や電子機器産業はすでにサプライチェーンが確立されていることを指摘。これをさらに強化し、川上産業への進出を促す考えを示した。また、農業、食品、観光産業の高度化にも取り組み、持続可能な経済成長を実現する。「BOIの役割を拡大し、規制緩和を進め、投資家のニーズに応えていく」と語った。
◇インフラ整備で新産業を支援
BOIは、新産業への移行を支援するため、タイの経済構造をテクノロジー、イノベーション、創造性を基盤とした新しい経済に転換することを目指している。特に、高付加価値産業の育成と、国内生産の振興を重視し、AI、スマートシステム、ロボットなどの先端技術を活用した生産体制の構築を支援する方針だ。
また、新産業への投資環境を整備するため、半導体、プリント基板、デジタル、AIなどの分野で人材育成を推進する。デジタルインフラの開発、規制緩和、サプライチェーン強化にも取り組む。
ナリット事務局長は、世界的な貿易摩擦が激化する中、タイは投資奨励政策を見直し、実際の生産活動が国内で行なわれるよう管理を徹底すると述べた。また、国内企業と海外企業の合弁事業を奨励し、タイ企業の競争力を高める意向を示した。さらに、財務省と連携し、グローバル・ミニマム・タックス(GMT)への対応策として、研究開発や人材育成、生産性向上に投資する企業に税控除を提供する予定でいることも明らかにした。
高等教育・科学・研究・技術革新省のスパチャイ・パトゥムナークン次官は、未来産業の人材育成計画を発表した。向こう5年間に半導体、電子産業で8万人、EV産業で15万人、AI産業で5万人の専門人材を育成する。教育プログラムの改革、スキルアップ・リスキル支援、特別コースの開設、研究開発助成を通じ、優秀な人材を確保する。
エネルギー省のプラサート・シンスックプラサート次官は、エネルギー政策を見直すと発表。2037年までに再生可能エネルギーの割合を51%に引き上げ、6万3867メガワットのクリーンエネルギー発電を追加する計画を明らかにした。また、電力グリッドの近代化を推進し、EV産業やデータセンター向けにクリーンエネルギー供給の枠組みを設ける。
デジタル経済社会省のウィシット・ウィシットソラアット次官は、タイのデジタル経済をGDPの30%に拡大させる目標を掲げ、クラウドファースト政策の推進やAIの普及を進めると述べた。「デジタルインフラの強化を通じて、デジタル経済ハブを目指す」と述べた。
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