中期財政計画を修正＝今年度補正予算1220億Ｂ
セーター政府は5月28日に開いた閣議で、中期財政計画の修正を決定した。デジタルマネー給付政策の財源確保のため、今年度に1220億バーツの補正予算を組むことから、24年度の歳出総額を3兆6020億バーツに増やした。
チャイ・ワチャロン政府報道官が閣議後の会見で明らかにしたところによれば、国家財政政策委員会が提出した第2次中期財政計画の修正案を承認した。補正予算の編成で24年度の歳出総額を1220億バーツ増やす一方で、歳入見積もりも100億バーツ上乗せした。この結果、修正後の24年度の財政赤字は1120億バーツ増えることになる。
今回の修正案では計画策定の前提となる経済指標も修正した。24年の成長率は2.7％から2.5％に下方修正し、25年は3.3％から3.0％に、26、27年は3.3％から3.2％に、28、29年は3.2％から3.0％に予測値を引き下げた。政府が策定した中期財政計画では、計画期間中のタイ経済がセーター首相の言う3.5％増の潜在成長力には届かないことになる。
想定する政府の正味歳入額は24年度に100億バーツ上積みして2兆7970億バーツとした。25年度は2兆8870億バーツ、26年度は3兆4000万バーツ、27年度は3兆2040億バーツ、28年度は3兆3940億バーツを見込む。一方で歳出総額は25年度に3兆7527億バーツ、26年度に3兆7430億バーツ、27年度に3兆8970億バーツ、28年度に4兆770億バーツを想定している。
計画期間を通じて予算は赤字編成が続くため、公的債務は増加していくことになるが、公的債務残高の対ＧＤＰ比は財政規律法が定める上限の70％を超えない。23年度末時点の公的債務残高は11兆1316億3400万バーツで、ＧＤＰの62.4％の水準。24年度末には65.7％に、計画終了年の28年度末には68.6％に上昇する見込み。長期的な財政目標では均衡予算を目指すとしているが、タイ経済が潜在力を最大限発揮できるようにするためには短期的には経済を活性化するために赤字編成が必要だとしている。
財政赤字は25年度に8657億バーツ、26年度に7030億バーツ、27年度に6930億バーツ、28年度に6830億バーツへと漸減させる計画。
チュラパン・アモンウィワット財務副大臣は、閣議で年度予算とは別に予算外資金の活用案が議論されたことを明らかにしている。「予算外資金は年間1兆バーツ以上あり、しっかり調べれば中には実際に政府が管理運用できるものもある。効率的に管理すれば総額は100億バーツにはなるだろう」と述べている。
消息筋によると、閣議の席では、ある閣僚から予算外に多額の資金があるにもかかわらず、予算編成に多額の資金を借り入れなければならないことへの疑問が提起されたという。予算外資金は各種の基金やその他の公的資金で、予算局の見解では固有の法律の下で管理運用されていることから、政府が手をつけることはできない。
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