2025年7月24日(木)号

6月の輸出は15.5%増=上半期は予想を上回る成長

 プーンポン・ナイヤナパコン商業政策戦略事務局長が7月24日に発表した6月のタイの物品輸出額は、286億4990万㌦となり、前年同月比15.5%増を記録した。12か月連続の拡大となるもので、石油関連製品、金、軍需品を除いた輸出は15.6%の伸びを示した。米国による関税措置の導入が3か月間先送りされたことで、米国の輸入業者に輸入を前倒しする動きがあった。またデジタル産業の成長に伴い、電子機器や部品の需要も好調に推移した。農産物の輸出も回復し、とりわけ生鮮・冷凍果物の輸出が良好だった。キャッサバ、パーム油、砂糖、加工鶏肉、ペットフードの輸出も拡大した。上半期(1〜6月)の輸出は15.0%増となり、石油関連製品、金、軍需品を除いたベースでも14.2%増を記録した。
 6月の輸入額は275億8820万㌦で、前年同月比13.1%増となった。貿易収支は10億6170万㌦の黒字となった。上半期の輸入額は1669億1410万㌦で、前年同期比11.6%増、貿易収支は6220万㌦の赤字だった。


 バーツ建てでみると、6月の輸出額は9385億3300万バーツで、前年同月比5.1%増、輸入額は9148億8000万バーツで、同3.0%増となり、貿易黒字は236億5400万バーツだった。上半期の輸出は5兆5789億5900万バーツ(7.6%増)、輸入は5兆6512億4100万バーツ(4.6%増)で、貿易収支は722億8200万バーツの赤字となった。
 6月における農産品・アグロインダストリーの輸出額は、前年同月比13.5%増となり、2か月連続のプラス成長を記録した。農産品は10.7%増で2か月連続、アグロインダストリーは17.4%増で3か月連続の拡大となった。生鮮・冷蔵・冷凍・乾燥果物は57.0%増となり、2か月連続で増加した。生鮮・冷蔵・冷凍鶏肉・同加工品は15.8%増で、9か月連続の拡大となった。日本、英国、中国、マレーシア、韓国市場で伸びた。動植物油脂は124.2%増で3か月連続増、小麦製品・その他即席食品は35.1%増となり、18か月連続で増加した。タピオカ製品は6.1%増で2か月連続の拡大、砂糖は35.4%増で3か月連続で増加した。缶詰・加工果物は28.9%増で21か月連続の拡大となった。
 一方で、米は41.1%減となり、8か月連続のマイナス成長となった。イラク、南アフリカ、セネガル、カメルーン、日本向けが減少した。水産缶詰・加工品は前月の拡大から再び減少に転じ、1.5%減となった。
 上半期における農産品とアグロインダストリーの輸出は、前年同期比2.4%増となった。
 6月の工業製品の輸出額は、前年同月比で17.6%増となり、15か月連続で拡大した。コンピュータ・機器・部品は57.7%増となり、15か月連続で増加した。米国、中国、マレーシア、シンガポール、アイルランド向けが顕著に伸びた。ゴム製品は23.3%増で、12か月連続の拡大、主に米国、中国、日本、マレーシア、韓国向けが伸びた。機械・同部品は16.4%増となり、2か月連続で増加した。米国、日本、シンガポール、インドネシア、香港向けが好調だった。電子回路基板は46.2%増で、6か月連続の増加。香港、台湾、シンガポール、マレーシア、中国での需要が後押しした。金を除く宝飾品・装飾品は8.4%増で、8か月連続の増加となり、米国、インド、英国、ドイツ、日本が主な輸出先だった。その他電気製品・同部品も36.7%増を記録し、12か月連続で拡大を続けた。米国、中国、オランダ、マレーシア、スロバキアへの輸出が好調だった。
 一方、自動車・同部品は15.9%減となり、前月の増加から再びマイナスに転じた。オーストラリア、ベトナム、日本、米国、フィリピンで減少したが、南アフリカ、アラブ首長国連邦、アルゼンチン、イラク、トルコでは増加した。化学製品は4.3%減となり、2か月連続のマイナスとなった。インド、中国、日本、インドネシア、マレーシア向けが減少した一方、ベトナム、米国、ラオス、ミャンマー、カンボジア向けは拡大した。ラジオ・テレビ・同部品は14.7%減少し、前月の拡大からマイナスに転じた。米国、日本、インド、ドイツ、マレーシア向けが減少したが、インドネシア、香港、ブラジル、南アフリカ、台湾向けは増加した。半導体・トランジスタ・ダイオードは53.5%減で、16か月連続の減少となった。米国、香港、インド、メキシコ、インドネシアでは減少が続いたが、日本、中国、台湾、韓国、シンガポールでは輸出が伸びている。
 上半期の工業製品輸出は前年同期比19.3%増となった。
 6月の輸出を仕向け地別にみると、主力市場への輸出は、米国による関税措置の発動を前に各国が輸入を前倒しした影響から良好な成長をみせた。米国、中国、日本、EU、アセアン向け輸出が引き続き拡大している。
 主力市場全体では前年同月比19.3%増となった。米国市場は41.9%の大幅な増加となり、中国市場は23.1%、EU(27か国)は11.9%、CLMV(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)は9.0%増を記録した。アセアン(5)向けは6.5%増、日本向けは3.2%増と、いずれも拡大に転じた。

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[データ]
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[BOI認可事業]
6月24日認可10事業

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