29日午前0時から無条件停戦で合意=明朝には非公式軍司令官会談、GBC会合は8月4日
タイ、カンボジア両国は7月28日、国境地帯での武力衝突を受け、現地時間29日零時をもって無条件停戦することで合意した。両国の軍司令官による非公式会合は、29日午前7時に開催される予定。国境全体に関わる一般国境委員会(GBC)の会合は、8月4日にカンボジアの主催で開催される。

プームタム首相代行はアンワル首相の招請を受け、この日、現地時間午後1時40分にクアラルンプールに到着した。協議開始前の記者会見では「タイは、主権、友好関係、両国国民間の協力を尊重した持続可能な平和の実現を望むという立場を堅持している」と強調した。現地時間の午後5時、プトラジャヤの首相府において、タイ・カンボジア国境情勢に関する首脳級協議が行なわれた。会談には、マレーシアのアンワル・イブラヒム首相(アセアン議長国代表)、カンボジアのフン・マネット首相、タイのプームタム・ウェーチャヤチャイ副首相兼内相(首相代行)が出席し、協議後に共同記者会見が行なわれた。米国と中国の代表も協議を見守った。
アンワル首相は、両国が真摯に即時停戦を希望したことに謝意を示すとともに、今回の会談への参加と協力は、地域の平和・対話・安定に向けた共同の決意を示すものと強調した。
両国は以下の3点で合意に達した。
1.2025年7月28日(月)現地時間24時をもって、無条件の即時停戦を発効することで合意した。現在の状況を打開し、平和と安定の回復に向けた重要な一歩となる。
2.タイ側の第1・第2軍管区とカンボジア側の第4・第5軍管区の司令官による非公式会談を29日午前7時に開催する。さらに両国が合意すれば、アセアン議長国が主導する形で軍事駐在武官を交えた会合が開かれる。
3.2025年8月4日には、一般国境委員会の正式会合がカンボジアの主催で開催される。
アンワル首相はアセアン議長国として、停戦合意の履行を監視・検証する国際監視団の設置を調整する用意があると表明した。
両国はさらに、首相、外相、国防相レベルにおける直接のコミュニケーションチャネルの復旧でも合意した。
プームタム首相代行は、アンワル首相、また中国政府と米国のドナルド・トランプ大統領に対し、善意と懸念を表明してくれたことに謝意を述べた。そのうえで、今回の協議が主権と国民の生命を守るという責務と平和的解決を望むタイの意志を示すものと述べた。
両国は、今回の停戦合意を誠実に履行するという信頼醸成措置を伴って履行することに合意しており、フン・マネット首相も28日24時からの停戦を了承し、今回の合意事項の実施に向けた取り組みを続ける考えを示した。
タイとカンボジアの国境地帯での交戦がすでに5日目に入るなか、両国が停戦に向け動き始めたのは、アンワル首相とトランプ米大統領の介入によるところが大きい。トランプ大統領はプームタム首相代行、フン・マネット首相と個別に電話会談し、即時停戦と引き換えに米国がタイ、カンボジア両国との通商交渉を継続すると提案した。トランプ大統領は、即時停戦が成立しないなら、両国との貿易協定の交渉を中止すると警告した。
プームタム氏は、米国だけでなく中国、アセアン議長国であるマレーシアのアンワル・イブラヒム首相からも同様の平和的解決を求める電話があったと述べた。27日には翌日の首脳級協議の実施を外務省が正式に発表した。
陸軍第2軍管区による27日正午時点の戦況報告では、国境地帯は大雨が続き、26日午後から夜にかけて重要な軍事行動が確認された地点は7か所で、初日の10か所からは減少した。チョンボックでは、両軍がにらみ合いを続ける中、カンボジア側が一部部隊を南方に移動させる動きがみられた。また、プーマクアとチョンアーンマーには支援部隊を投入し、タイ側は自国領と主張する地域の制圧を進めている。プーピー、ドンタワン遺跡とチョンタータオでは、依然として両軍の戦闘が続き、カンボジア側は激しい損害を被ったもよう。カンボジア軍の指揮官が戦死したとの未確認情報も伝えられている。
プレアヴィヒア(プラウィハーン)遺跡正面では交戦が続き、カンボジア側は遺跡内からの狙撃を主な手段とし、タイ軍の兵士を標的としている。チョンジョームでは、砲撃がタイ側の民家やタークワーイ遺跡周辺に向けて行なわれ、カンボジア側は同遺跡の西方2km地点にあるチョンクラーン地域に戦車の派遣を試みたと報告されている。タームアントム遺跡周辺では、カンボジア側が終日東側から攻撃を仕掛けたことで、タイ軍は一時撤退を余儀なくされた。その後、タイ側は大砲による反撃を開始し、カンボジア軍は同地域から撤退したという。
カンボジア国境特別作戦本部の副報道官であるスラサン・コンシリ海軍少将は27日の記者会見を行ない、タイ側は停戦に原則として同意するものの、カンボジア側が誠意を示し、詳細な協議に参加することが前提だと述べていた。
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