首相が資本市場団体と意見交換=信頼回復と経済改革を推進
アヌティン首相兼内相[=写真中央]は9月25日、タイ証券取引所(SET)を訪れ、資本市場に関する意見交換を行なった。首相は、限られた任期の中で市場の信頼回復を最優先に取り組むと述べた。

会合にはエークニティ・ニティタンプラパート副首相兼財務相、アッタポン・リクピブン・エネルギー相、スパチー・スタムパン商業相、ウォーラパット・タンヤーウォン財務副大臣らが同行し、タイ証券会社協会、上場企業協会、投資運用会社協会、投資アナリスト協会、タイ投資家協会、タイ債券市場協会、SETの関係者らが参加した。
首相は、株式市場や債券市場が国の経済を動かす大きな歯車であり、民間セクターの声を施策に反映させたいと述べた。そのうえで「明確かつ効果的な提案は閣議に諮り、重要な政策として実行に移す」と約束した。
SETからは、ビジネス環境整備のための法改正、市場改革、税制構造の見直しといった課題が提示された。一方、タイ資本市場連合会(FETCO)からは「Quick-Big Win」として、(1)政府の信頼回復と「Thailand Story」の戦略的発信、(2)新しい経済エンジンの創出におおける市場メカニズムの活用、(3)市場の長期的な流動性の強化、(4)持続可能な未来に向けた人材のリスキル/アップスキルや投資詐欺対策、規制緩和などが提案された。
首相は会合後、SETやFETCOの幹部と記念撮影し、新規上場銘柄「REAL25」の取引開始セレモニーを視察した。中小企業を支援する「LiVE」のプラットフォームを通じた上場企業の一つで、首相は「市場の潜在力を高め、企業の成長を後押しする取り組みだ」と評価した。
首相は、新政権が総選挙までに資本市場への信頼を回復するための措置を実施すると表明した。その中には、企業コストを年間1340億バーツ削減し、経済成長率を年間0.89%押し上げると見込まれる規制緩和が含まれる。首相は、規制改革には断固とした行動が必要で、新法を制定せずとも省庁レベルで解決できる改革は迅速に進めると強調した。企業活動を妨げる時代遅れの規制を排除するとした。
「SETが提案した規制緩和は、成功裏に完了できると信じている。閣僚には全面的な権限を与え、関係機関と調整して迅速に成果を出し、資本市場の長期的基盤を築くよう指示した」と語った。政府はまた、長期株式投資に対する配当課税免除の導入を計画しており、投資家心理は4か月以内に回復するとの自信を示した。
支援策の一つとして、「コンラクルン(半分ずつ)」の再導入など、市場に直接的な利益をもたらす施策を挙げた。資本流入に伴うバーツ高については、エ=クニティ副首相兼財務相、資金洗浄防止取締事務局(AMLO)、証券取引等監視委員会(SEC)事務局に対し、資本市場を経由する不審な資金の流れを調査するよう指示した。灰色または違法資金が確認されれば没収すると述べ、「株式市場が上昇基調を維持できるようにしたい。強力なチームと支援策がある。信頼が回復すれば投資家は戻ってくる」と語った。
FETCOのコープサック・プートラクン会長は、政府には信頼回復に必要な適切なチームと政策があると述べ、各種の措置が実施されれば市場の信頼は回復すると評価した。さらに、タイ国内の大企業や投資委員会(BOI)の優遇措置を受ける外資系企業、東部経済回廊(EEC)に投資する企業がSETに上場できるようにすることで、IPO(新規株式公開)を促進するよう要請した。
コープサック氏は、FETCOが持続可能な投資慣行の推進に向け、大企業と連携して中小企業やスタートアップを支援していると説明した。その手段として技術移転、リスキル/アップスキル、AIの導入を挙げ、長期投資を奨励するための配当課税免除の重要性を強調した。さらに、財団や保険会社が保有する巨額のマネーを資本市場に誘導できるよう、投資規則の改正を求めた。これらの措置が4か月以内に調整されれば、数百億バーツの流動性が市場に注入されるとしている。
SETのキティポン・ウラピーパタナポン会長も、アヌティン政権下で規制改革は進展するとの期待を表明した。規制改革は国家的課題として扱われるべきで、それによって事業コストが大幅に削減され、経済の強化につながると述べた。
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