シリキット王太后陛下崩御＝全ての官公庁で30日間の半旗掲揚
王室庁は10月25日、シリキット王太后陛下（ソムデット・プラナーンチャオ・シリキット・プラボーロムラーチニーナート・プラボーロムラーチャチョンナニー・パンピールアン）の崩御を発表した。10月24日、93歳で崩御された。政府庁舎では25日、半旗が掲げられ、全国に哀悼の意が広がった。総理府のトライスリー・トライソラナクン首相主席秘書官は、同日開催された臨時閣議において「政府が民間部門に対し、30日間の娯楽・祝賀行事の自粛を求めた」とする一部報道を否定した。
王室庁は発表文で、王太后陛下が10月24日午後9時21分、チュラロンコン病院（タイ赤十字社）で穏やかに崩御されたと伝えた。陛下は2019年9月7日以来、同病院に入院されていた。長期の入院中に複数の合併症を患われ、10月17日に敗血症を発症し、医療チームの懸命な治療もむなしく病状が次第に悪化した。
トライスリー氏によると、アヌティン首相が議長を務めた臨時閣議では、王室庁の発表を正式に了承し、国としての服喪手続きを協議した。閣議では国家公務員、国営企業職員、地方公務員が1年間の服喪期間を設けること、全ての政府機関、国営企業、教育機関において、国旗を半旗掲揚とする期間を30日間（10月25日から）とすることなどを決定した。国民には90日間の喪服着用を要請した。
アヌティン首相は翌25日午後3時15分、テレビ演説を通じて国民に追悼の意を表した。首相は、声明のなかで、国民および民間部門に対し、「深い哀悼の意を示すため、活動を節度あるものに調整してほしい」と呼びかけたが、いかなる活動の禁止や停止命令も発していないと明言した。
トライスリー氏は、「娯楽・観光・サービス業などがすでに各種イベントを計画していることを理解している。したがって、シリキット王太后陛下への敬意と恩寵への感謝を表すため、それぞれの判断で、場にふさわしい形に変更してほしい」とコメントした。また、「首相が強調しているのは、国民全体が愛と敬意、団結の心をもって哀悼を示すこと」であり、「政府として経済活動や民間の社会的イベントを制限する意図は一切ない」と強調した。そのうえで、「国民には政府の公式情報のみを信頼し、誤った報道に惑わされないようお願いしたい。首相の意図は、すべての国民が心をひとつにして哀悼の意を表すことにある」と述べた。
トライスリー氏は最後に、「政府は全国民に呼びかけます。シリキット王太后陛下のご冥福を祈り、天上の御座に安らかにあらせられますように。そして、陛下が引き続きタイ国民をお護りくださり、この国に平和と繁栄が続きますように」と語った。
シリキット王太后は、1932年8月12日に、バンコクでお生まれになった。1950年4月28日、当時の国王であるプミポン・アドゥンヤデート国王とご結婚。同年5月5日に国王の戴冠式が行なわれ、王妃に正式に列せられた。
なお、アヌティン首相は、予定どおりマレーシアを訪問し、タイ・カンボジア間の和平協定に署名する。署名式は第47回アセアン首脳会議の期間中に行なわれ、マレーシア首相と米国大統領が立ち会う予定。合意文書には、両国国境の治安強化と外交関係の正常化の促進が盛り込まれている。マレーシア訪問は当初25日に予定していたが、王太后陛下の葬儀準備に関する緊急閣議を開くため延期された。
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