タイ・カンボジア国境紛争=停戦に向け27日GBC国防相級会合
タイとカンボジアは12月24日、チャンタブリ県で一般国境委員会(GBC)の事務レベル協議を開始した。国境での衝突が17日連続で続くなか、双方が解決を模索している。今回の事務レベルでの協議は、両国国防相が議長を務める予定の27日の正式なGBC会合に先立って行なわれている。事務レベル協議は24日に始まり、26日まで続く。国防相級会合で、対立解消の方向性や停戦合意に至るかどうかは、カンボジア側がどの程度誠意を示すかにかかっている。
初日の協議はおよそ30分間行なわれた。タイ代表団を率いるナッタポン・プラオケーオ中将[=写真]は、初日の協議結果について、今回の話し合いは前向きな兆しと受け止めているものの、協議の詳細については、25日から始まる全体会合を待つ必要があると述べた。

GBCでの協議は、22日にマレーシアのクアラルンプールで開催されたアセアン特別外相会合で、タイとカンボジアが合意したことを受けて実施されている。協議では、タイ側が主要な懸念を提起する見通し。タイ側はかねてより、オタワ条約に反する対人地雷の敷設、遺跡の軍事拠点としての使用、民間施設やコミュニティを軍事行動や武器保管に利用していること、民間人を人間の盾として使用していることを非難してきた。
国軍副参謀長のナッタポン中将が率いるタイ代表団が、事務レベルで技術的な枠組みを確立できない場合、タイは27日の大臣級会合に出席せず、いかなる合意にも署名しない。技術的な枠組みにおける主な論点は、部隊配備の取り決めや、持続的な停戦を確保するための仕組みが含まれる。
24日も国境の複数の場所で戦闘が続いている。シーサケート県カンタララック郡では、この日、過去4日間で最も激しい戦闘が発生した。プーマクアとフアイターマリア周辺では、午前5時ごろから激しい交戦が報告されている。
サケーオ県では、ブラパー部隊がタープラヤー郡のバーンクローンペーンとコークスン郡のバーンノンヤーケーオを再奪還した。掃討作戦中、カンボジア軍が残した対人地雷や即席爆発装置(IED)を発見した。カンボジア軍はBM-21ロケットによる攻撃を続けており、タイ側は砲兵・迫撃砲部隊で反撃した。バーンノンチャンでは、タイ軍が地域の一部を確保している。
第2軍管区は、BM-21多連装ロケットによる住宅地、寺院、学校、病院への被害を示す画像を公開した。陸軍は、クラスター弾に関するカンボジアの主張を否定し、タイ軍の兵器は軍事目標のみを標的としていると述べた。タイ軍の作戦は国際人道法を厳格に順守しているとした。
ウィンタイ・スワリー陸軍報道官によれば、カンボジア側が、タイがM-46クラスター砲弾を発射したと主張していることについて、カンボジア側が指摘した弾薬は、実際には軍事目標に対してのみ使用されるよう設計され、破壊力を高める目的のものだと説明した。
報道官は、タイの軍事作戦は軍事的必要性の原則に基づき、国際人道法を厳格に順守しており、兵器は軍事目標に対してのみ使用されていると改めて強調した。
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