財務省の経済見通し=内需主導で26年成長率2.0%
財務省は1月27日、2025年と2026年の経済見通しを発表した。それによると、昨年の経済成長率は2.2%(予測範囲2.0~2.5%)と見積もられ、2026年は2.0%増と予測した。ウィニット・ウィセートスワンナプーム財政局長は、世界が急速に変化するなかで、タイ経済は景気の回復と経済構造の調整という重要な転換期にあるとの認識を示した。

昨年の経済成長率は2024年の2.5%を下回ったもようだが、ウィニット局長は、成長が持続していることを強調した。2025年第4四半期の経済は、1.2%増にとどまった第3四半期から加速しており、「コンラクルン・プラス」、国内観光振興策の「ティアオディー・ミークーン」などの政府による景気下支え策が寄与していると述べた。コンラクルンは、840億バーツにのぼる消費支出でマネー循環を生み、生産、雇用、所得分配が全国各地の中小事業者にまで波及した。
財政局は、民間消費が年率3.3%(予測範囲3.1~3.6%)増に達したと試算した。一方、物品輸出は予想を上回る伸びを示し、国際収支統計ベースのドル建て輸出額は、米国向け輸出の加速に加え、インドや中国といった新たな成長市場での拡大を背景に、年率12.7%(12.5~13.0%)増と見積もられている。
ウィニット氏は、年末にかけて、南部地域における洪水被害や、製油所の定期メンテナンスに伴う操業停止といった工業部門の一時的な要因からの減速に直面したものの、財政政策が経済を下支えし、第3四半期を上回る成長を維持することができたとしている。なお、公式統計は国家経済社会開発評議会(NESDC)事務局が2月16日に発表する。
国内の安定性については、2025年の一般消費者物価上昇率(インフレ率)はマイナス0.1%となった。政府の政策により電気料金と燃油価格が引き下げられたことに加え、世界市場におけるエネルギー価格が低下した。一方、対外安定性の面では、経常収支は154億㌦の黒字、GDP比で2.8%の黒字となったもよう。
今年のタイ経済について、財務省は2.0%(予測範囲1.5~2.5%)と予測した。輸出部門は前年に比べて勢いが鈍化するものの、底堅く推移するとみられ、ドル建て輸出額は1.0%(0.5~1.5%)の小幅増を見込む。世界貿易量の伸びの鈍化と2025年に記録したハイベース効果が一因で減速する。一方、ドル建て輸入額は3.9%(3.4~4.4%)の拡大が見込まれている。
今年の経済成長の牽引役は、内需とサービス部門にシフトする。なかでも観光部門が主要な原動力となり、外国人観光客数は3550万人と前年を上回る水準に達する見通しで、サービス部門の収入の回復を後押しする。このほか、民間消費は2.5%増(2.0~3.0%)と引き続き拡大し、投資認可後に実際の投資が始まることを背景に、民間投資も3.2%増(2.7~3.7%)を見込んでいる。
政府消費支出は1.3%増(0.8~1.8%)と予測した。一方、政府投資は、政治空白の影響により、マイナス1.7%(マイナス1.2~2.2%)と予測した。2027年度予算法の施行が約3か月遅れる可能性があるためで、ウィニット氏は、新政府は可能な限り早期に手続きを進め、予算執行の加速策を講じることで影響の緩和を図る必要があるとしている。
国内の安定性については、内需の堅調な拡大を背景に、一般消費者物価上昇率は0.3%(マイナス0.2~プラス0.8%)と予測した。対外的な安定性では、経常収支は120億㌦、GDP比2.0%(1.5~2.5%)の黒字と予測した。
ウィニット局長は、財務省として財政の安定を維持することを重視していく方針を示した。歳入徴収の効率改善を進め、インフォーマル経済をフォーマル経済に取り込み、課税ベースの拡大を図るほか、国家予算の管理・運営を最大限に効率化することで、将来の経済リスクや変動に対応するための十分な財政余地を確保していく考え。
タイ経済が直面している構造的な課題についても認識しているとし、従来の生産モデルでは将来の成長を十分に支えることが難しくなりつつあるという重要な転換点に差しかかっていると指摘した。そのため、未来産業への投資や、世界のサプライチェーンに適合する形でのイノベーションを通じ、経済構造の転換を加速させる必要があると強調した。
タイ経済に影響を及ぼす要因は引き続き注意深く見極めていくとし、①保護主義的な通商政策や世界的な地政学リスクに起因する国際貿易体制の動揺が輸出部門への下押し圧力となる可能性、②家計債務と中小企業の債務水準が依然として高く、消費や投資の回復を制約する恐れがある点、③政治的な移行期における政策の安定性と継続性を確保し、投資家の信頼を維持していく必要性、の3点を挙げた。
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