タイ・カンボジア共同資源開発=プームタム副首相がクード島訪問
プームタム・ウェーチャヤチャイ副首相兼国防相は11月9日、タイとカンボジアの2001年の覚書(MOU44)について、タイの国益を保護するためのメカニズムだと改めて表明した。この日、トラート県クード島を視察したプームタム氏はタイがクード島に対する唯一の主権国だと強調した。タクシン政権が署名した覚書により、タイがクード島とタイ湾の領海主張重複地域(OCA)に対する主権を失うおそれがあると主張するタイ・パクディ党のワロン・デートキットウィクロム党首も同日にクード島を訪問し、MOU44破棄のため10万人の署名を集めると語っている。
国防相を兼務するプームタム副首相は同島駐屯部隊への訓示で、MOU44とクード島についての噂やフェイクニュースが多くの混乱を引き起こしているため、政府が事実を説明しようとしていると述べ、「島に住む人々はタイ人であり、島はタイに属している」と強調した。クード島が長らくタイに属してきたこと、 タイの人々が住み、役所もあると指摘した上で、この問題は政治的な理由のために悪用されていると主張した。
MOU44はタイの国益を保護する最善のメカニズムであり、両国の合意に基づいて行なわれる海洋資源の開発をめぐる交渉に向けた最も有益なツールというのがペートンターン政府の見解。アピシット政権時の09年に同覚書の破棄を閣議決定したものの、カンボジアの同意なしに一方的に破棄はできず、実現していない。その後、インラック政権がMOU44の有効性を確認し、プラユット政権もこれを追認し、14年10月にはカンボジアのフンセン首相との首脳会談でMOU44をベースにした交渉の再開に合意している。
セーター前政権は今年2月、タイを公式訪問したカンボジアのフン・マネット首相との首脳会談で領海確定と資源共同開発に向けた協議をMOU44をベースに開始することで合意している。
下院に議席を持たないタイ・パクディ(タイ尊王)党のワロン氏は、MOU44の撤回に加え、両国が交渉を進める前にカンボジア政府が国連海洋法条約(UNCLOS)を批准するよう要求しなければならないと指摘している。カンボジアが同条約の加盟国ではないという事実が領海確定交渉の障害になると主張している。
MOU44が対象とする重複区域はタイ湾の約2万6000平方㌔㍍。エラワン鉱区やボンコット鉱区に近く、天然ガスなどの化石エネルギー資源が豊富にあると考えられている。MOU44はタイ・カンボジア合同技術委員会(JTC)を設置し、領海の確定と資源共同開発を「不可分のパッケージ」として交渉すると定めている。
カンボジアは1972年にクード島の南半分を自国領と主張したが、タイ側は1907年のフランス・シャム条約を根拠にカンボジア側の主張を拒否している。
BOIとGACアイオン=国内部品の調達イベント開催
投資委員会(BOI)は11月7日、GACアイオンのEV生産ライン向け部品をタイ現地メーカーから調達するための商談会「AION Sourcing Day」を共同開催したと発表した。6日にバンコクのラマガーデンズホテルで開催され、内装、外装、電気・電子、シャシー、車体、電動系や電池の部品メーカー220社から400人以上がイベントに参加した。
BOIはEVメーカーの現地部品調達を支援するため、同種の調達イベントをBYD、NETA、MG、長安、BMWとそれぞれ共同で実施しており、GACアイオンは6社目。ナリット・トゥードサティラサック事務局長によれば、参加した部品メーカーのうち74社がGACグループからサプライヤー候補に選ばれている。今後の商談で22億5000万バーツ以上の成立が期待されている。タイの部品メーカーのEVサプライチェーンへの参入が進むことで、タイがアセアンにおけるEV一貫生産拠点になる道が開けると述べた。
アイオン・オートモービル・マニュファクチャリング(タイランド)社がはラヨン県アマタシティ工業団地に13億バーツを投じてEV工場を開発した。中国の大手EVメーカーであるGACグループにとって初の海外生産拠点となるもので、バッテリーEVの生産能力は年間2万台。現在は第1フェーズで、最終的に投資額は56億バーツ以上に達するとしている。タイに事務所を構え、東南アジア地域の統括会社として機能している。
ナリット事務局長は今回の調達イベントの共同開催により、タイのEV産業の発展におけるBOIとGACアイオンの協力が強化されると述べている。特にタイの自動車部品メーカーへのEV部品の製造委託や合弁事業を通じたEVサプライチェーンへの参入による成長を期待している。GACもこのイベントを通じて、品質と標準を備え、世界クラスの自動車メーカーとの取引経験を持つ現地サプライヤーを見つけることができる。タイ国内で部品を調達できれば、ラヨン工場の生産効率が向上し、物流コストも削減される。
アイオン・オート(タイ)のオーシャン・マー社長は一貫生産体系をタイに構築することで、東南アジアにおけるGACのEV生産、流通、輸出拠点に押し上げたいと述べている。EVの組み立てだけでなく、部品、バッテリーの生産、充電ステーションにも投資し、強固なサプライチェーンを築く。現在、GACアイオンのショールームは全国に50か所。2025年には充電ステーションを100か所に増やし、27年までに1000か所に拡張する。25年半ばには「アイオンV」モデルを生産するための生産ラインの拡張を開始する。
マー社長はGACアイオンがタイ国内のサプライチェーンを拡大させる明確な目標を持っていることを明らかにしている。タイの部品メーカーへの技術移転も約束した。現在の国産部品の調達率は47%以上で、今後さらにタイ製部品の使用を増やす予定。タイの部品メーカーを選ぶ理由として、①タイ製部品が高品質で標準を満たしている、②海外からの輸入よりも輸送コストが安い、③国内で調達するほうがアフターサービスに有利、という3点を挙げている。
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