今年の観光収入目標=17%増の3兆バーツ
タイ観光公団(TAT)は今年の観光収入目標を前年比17%増の3兆バーツに据えた。タパニー・キアッティパイブーン総裁によれば、最善のシナリオで外国人観光客数は3800~4000万人に達し、もたらされる観光収入は2兆バーツに達する。24年の3554万人から少なくとも10%は増えると見ている。国別では中国800万人、マレーシア550万人、インド250万人、韓国200万人、ロシア192万人と見積もった。一方、国内旅行による収入は1兆バーツで、延べ2億~2億2000万人の人出を見込んだ。
アジアの観光市場は円安で日本を訪れる観光客が増えたことで競争が激化している。昨年に日本を訪れた外国人観光客はタイを上回る3686万人と、過去最高を記録している。
24年の観光収入は前年比10.32%増の2兆5700億バーツだった。TATは当初、25年の目標を7.5%増に置いていたが、17%増という大胆な目標に上方修正した。タイ政府が今年を「アメージング・タイランド・グランド・ツーリズム&スポーツ・イヤー」に位置付けていることから、17%増という目標達成は充分に可能と判断した。気候変動による自然災害の頻発や地政学的対立、新興感染症の流行などの制御困難な要因については、その都度対応を検討していくしかないが、外国人観光客の30%を占めるアセアンからの観光客の呼び込みを図ることで目標達成を目指す。特に2億7700万人の人口を抱えるインドネシアからの観光客誘致には本腰を入れる。
1月19日にはマレーシアのジョホールバルで第28回アセアン観光担当相会議が開催され、アセアンを世界観光の中心地とすべく一致団結していく方針を確認した。会議に出席したスラウォン・ティアントーン観光・スポーツ大臣は、域内最大の観光国として、この方針実現に向け、主導的な役割を担う意向を表明、快適な越境の旅ができる環境整備、観光客の安全を保証する治安の確保、地方観光の促進、陸・空・海の交通インフラの有機的結合、スマート・ツーリズムとカルチャー・ツーリズムの振興といった課題に取り組んでいくと宣言した。
世界最大の観光産業見本市「ITBベルリン2025」は3月4~6日に開催される。タイ・パビリオンは1820平米のスペースを使い、タイ観光の魅力を訴える。出展業者は現在135業者が届け出ているが、枠は160業者分ある。パビリオンでは商談コーナーのほか、各県の観光地や特産品の紹介コーナー、ソフトパワー紹介コーナー、地方観光業者(12~20業者)の展示コーナー、スポーツ・ツーリズムのコーナーを設ける。昨年の同イベントの経済効果は30億バーツだった。今年は50億~60億バーツを見込んでいる。
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