トヨタがタイで新型発表=BEVの新型bZ4Xを日本から輸入販売
タイ国トヨタ自動車の山下典昭社長[=写真]は8月21日、トヨタALIVEバンナーで記者会見を開き、サブコンパクトセダン「ヤリスATIV」のハイブリッド車(HEV)を発表した。併せて、バッテリーEV(BEV)の新型「bZ4X」の予約受け付けを開始した。

新型ヤリスATIV HEVは、エコセグメント市場を補完する位置づけで、「HEV Premium」と「HEV GR Sport」の2モデルを投入する。搭載するのは1.5㍑直列4気筒「2NR-VEX」ハイブリッドエンジンで、モーターとリチウムイオン電池を組み合わせ、最高出力は111馬力。燃費は最大29.4km/㍑を達成した。
外観は、HEV Premiumで上部グリルをダーククローム、下部グリルをメタリックグレーとし、新デザインの16インチアルミホイールを採用した。内装は10.1インチタッチディスプレーを備え、Apple CarPlayとAndroid Autoにワイヤレス対応。ワイヤレス充電器も搭載し、安全装備もトヨタ基準で整えた。
一方、HEV GR Sportは、専用のGRロゴ付きフロントグリルやエアロパーツ、17インチアルミホイール、ブラックルーフ、電動格納式LEDターンシグナル付きドアミラーを装備。内装はGRロゴ入りのブラック合成皮革シートを採用し、サスペンションや電動パワーステアリング(EPS)を専用チューニングとすることで、スポーティな走りを強調した。
全国450カ所以上のサービスセンターと、ハイブリッドシステムに精通した熟練のサービススタッフ、充実した補修部品網を通じて、車両のライフサイクルを通じてケアする。「TOYOTA NO.1 TRUSTED HYBRID」の理念のもと、万全の体制を整えた。
新型bZ4Xは日本からの輸入・組み立てとし、信頼性の高い部品供給網とサービス体制を備える。予約はオンラインで受け付ける。
タイの自動車産業は厳しい状況にあるが、トヨタは多様な製品ラインアップにより、市場シェアを最大に維持し、7つの主要セグメントすべてで首位を確保している。山下社長は、足元ではxEVやSUV市場の成長に伴い、BEVの市場も拡大しているが、実際の利用環境を踏まえると、依然としてHEVは重要な役割を担っていると指摘する。一方、SUV市場では大型SUV(Dセグメント)が急速に拡大しており、タイ国内で最も大きなシェアを持つカテゴリーとなっている。
山下社長は、新発表した2モデルが、トヨタの幅広いラインアップを補強し、顧客の多様なニーズや市場の成長に応えるものだと強調した。
新型bZ4Xは、Dセグメントの大型SUVのBEVとして、広い車格を求める顧客層をターゲットとする。トヨタは2022年にタイで初めてbZ4Xを投入した。しかし、当時は政府の「EV3.0」スキームのもと、供給台数に制約があり、販売台数は132台にとどまった。
今回の新型bZ4Xは日本から輸入し、「EV3.5」スキームに適合する。販売目標は初年度6000台超とし、大幅な拡販を狙う。山下氏によると、旧型から全面的な刷新を実施し、充電時間は短縮された。特に新たに追加された前輪駆動モデルは、1回の充電で最大600kmの航続距離を実現し(NEDC基準)、同クラスの多くの車種を上回る性能を備える。最高出力も改良され、トヨタ標準の先進安全装備を搭載した。安定性、ステアリングフィール、乗り心地、ブレーキ性能はいずれもクラス最高水準で、10月下旬にはメディア向け試乗会を開催し、このモデルの優秀さを体感してもらう。価格は10月中旬に正式発表し、納車は11月から開始する予定。21日から事前予約を受け付けた。前輪駆動モデルの価格は150万バーツ台から、四輪駆動モデルは160万バーツ台からとなるもよう。
山下氏は、新型bZ4Xについて、「トヨタの世界水準の品質に加え、部品供給管理体制と全国450拠点を超える販売・サービス網によって最大限の安心を提供する。所有する誇りだけでなく、日常の暮らしに喜びをもたらす存在になる」と述べた。
トヨタは2017年にYARIS ATIVをタイのエコカー市場に投入し、これまでに累計28万台以上を販売し、エコセグメント市場で重要な役割を担ってきた。タイ人技術者が製品開発に参画し、部品の73%を国内調達している。チャチュンサオ県のゲートウェイ工場で世界水準の品質基準のもとに生産され、国内市場のみならず34か国以上に輸出している。国内市場における需要や拡大するハイブリッド車の需要に応えるとともに、タイ経済と自動車産業の持続的成長をさらに後押しするため、トヨタは「Be Confident & Beyond Expectation」をコンセプトに開発した新型ヤリスATIV HEVを発表した。初年度販売目標は2万台で、グレードはHEV PremiumとHEV GR Sportの2タイプを用意する。
外観デザインは高く評価されており、快適な装備を備えたインテリアに加え、エンジン排気量は1.2㍑から1.5㍑にアップグレードした。トヨタのハイブリッド技術により、新型は力強い走行性能と楽しいドライビング体験を提供し、燃費性能はハイブリッド車としてタイ国内最高水準の29.4km/㍑を実現したという。
HEV GR Sportはスポーティーなデザインと独自のサスペンションシステムによって、爽快な走行体験をもたらす。部品の国産化率は当初65%から開始し、今後さらに高める計画。また、この車両は23か国への輸出も予定している。
山下社長は、「新型bZ4Xと新型YARIS ATIV HEVという2つの新型車が、タイの顧客の需要に応えると確信している。今年末には、さらに新たな製品をタイの顧客に提案する」と述べ、会見を締めくくった。
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