2026年1月26日(月)号

証券取引等監視委員会=3か年戦略計画を公表

 証券取引等監視委員会(SEC)は1月19日、「Building Trust, Powering Growth」をテーマとする3か年戦略計画(2026~2028年)を発表した。資本市場の競争力の強化と市場への信頼の醸成を図り、資本市場をデジタル経済を牽引する原動力、さらには持続可能性に向けた重要なメカニズムとすることを目指す。あわせて、国民の健全な金融リテラシーの確立と長期投資文化の醸成を図り、昨年に引き続きテクノロジーの活用による業務効率の向上を進める。
 ポンアノン・ブサラトラクン事務局長[=写真]は、2025年にタイの資本市場は、国内要因と世界的な変化の潮流によって多方面の課題に直面したと述べた。資本市場への信頼の構築と維持に注力した年であり、資本市場がすべての関係者に開かれた持続的成長を生み出すメカニズムとして機能し、市場のエコシステムがステークホルダーのニーズに効果的に応えることを目指したと説明した。SECの使命である「信頼と効率性を備え、社会のあらゆる層がアクセス可能な資本市場を監督・育成する」という方針に合致すると述べた。


 SECは、資本市場とデジタル資産市場の開発促進、監督・法執行の一層の強化、資本市場とデジタル資産市場をマネーロンダリングの手段として利用させないための抑止など、複数の重要な施策を実施してきた。
 2026年においても「Building Trust, Powering Growth」の理念のもと、戦略計画に沿って取り組みを継続する。主な目標は以下の5分野。
 (1)競争力と信認のある資本市場(Competitiveness & Confidence)
 ・資金調達分野
 国際舞台におけるタイ資本市場の競争力を強化し、ターゲット産業や質の高い企業による資金調達活動を受け入れられる体制を整える。上場企業の高度化を図り、魅力を高めて投資家を呼び込む。
 ・証券取引分野
 国際基準に則った、透明性と公正性を備え、検証可能な証券取引の促進を図る。
 ・上場企業のコーポレート・ガバナンス分野
 内部監査人や財務アドバイザーなど関係者の役割を高め、実践を高度化する。上場企業の情報開示の質を十分かつ透明なものへと高め、投資家の適切な意思決定をサポートする。
 ・法執行分野
 調査と法執行業務の効率を高め、苦情・通報対応を継続的に改善する。その取り組みにあたって、業務にテクノロジーを活用する。
 ・事業者のサイバー・レジリエンス分野
 資本市場とデジタル資産市場における事業者のサイバー脅威への対応力(サイバー・レジリエンス)を継続的に強化する。
 (2)デジタル経済を牽引する資本市場(Leveraging Digital & Technology)
 デジタル資本市場の開発に注力し、テクノロジーを活用してエコシステムを強化することで、トークン化(Tokenization)や、投資対象としてのデジタル資産(crypto as an asset class)の発展に対応できる体制を整える。包摂的な成長を後押しし、幅広い投資家の資本市場へのアクセス機会を拡大する。暗号資産ETF(crypto ETF)に対応する規則の整備や、信託形態による発行に関する検討が含まれる。
 (3)持続可能性に向けた重要なメカニズムとしての資本市場(Sustainable Capital Market)
 ESG分野において、タイの資本市場が域内で際立った存在となるよう促し、持続可能な成長につなげる。国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)の基準に沿った情報開示とサステナブル投資の推進、グリーン・ファイナンスやトランジション・ファイナンスに対応する金融商品の開発支援、資本市場におけるカーボン・クレジット取引の促進などを含む。
 (4)健全な財務と長期投資文化を備えた投資家(Long-term Investment)
 国民が資本市場での投資にアクセスできる環境を整え、金融の健全性(ファイナンシャルヘルス)の形成を図る。「個人投資口座」を通じて長期投資文化を広め、厚生年金基金(PVD)の効率を高め、事業者のサービス水準を引き上げ、投資詐欺の防止を強化する。2025年からの取り組みを継続し、「すべての人のための予防的アンチ詐欺(preventive anti-scam for all)」へと発展させることで、被害の軽減、金融リテラシーの向上、国民の信頼感の醸成を図る。
 (5)SECの能力と業務効率の向上(Organization Transformation)
 スーパバイザリーテクノロジー(Supervisory Technology:SupTech)の活用による監督の高度化や、AIの導入を通じて、業務効率の継続的な向上を図る。
 ポンアノン氏は、今後、タイの資本市場に影響を及ぼし得る複数の要因による変動性と不確実性が高まるなかにあっても、SECは資本市場の振興と規制の両立を図り、市場の信頼性と持続可能性を確保し、あらゆるステークホルダーがアクセスできる資本市場の構築に引き続き取り組んでいくと述べた。また、関係機関と協力しつつ、将来の機会と課題に対して能動的かつ適時に対応できるよう柔軟に取り組み、『Moving forward with Tie – Trends – Trust』の理念のもと、ともに前進していくことで、金融イノベーションと資本市場の発展を後押しし、国の経済成長に向けた重要な推進力を担っていきたいと語った。

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