2024年10月18日(金)号

住宅取得支援で低利融資=与信枠550億バーツ

 ペートンターン政府は不動産セクターを刺激する新たな措置を実施する。パオプーム・ローチャナサクン財務副大臣は10月17日、低所得層の住宅取得を支援し、低金利の住宅ローンにアクセスできるようにする「買う・建てる・飾る・修繕する」と呼ぶ新たな措置を閣議に提出すると述べた。
 セーター前政府は今年4月から住宅市場活性化策を実施し、成功を収めている。政府住宅銀行(GHB)を通じた2つの低利融資プログラム、「ハッピー・ホーム」、「ハッピー・ライフ」を実施した。前者は200億バーツの与信枠を使い切り、後者もすでに180億バーツを実行している。新たな措置は、この低利融資を焼き直すもので、与信枠は550億バーツに拡充する。
 低層住宅またはコンドミニアムの購入や住宅建設資金を融通する「スー・サーン(買う・建てる)」プログラムは、最初の5年間の金利を優遇する。与信枠は500億バーツで、1件あたり貸出限度額は300万バーツ。住宅取得費用のほか、システムキッチンやエアコンなどの内装費用も貸し付ける。
 これとは別に住宅の増改築、修繕や内装の費用を貸し付ける低利融資プログラム「ソム・テン(修繕する・飾る)」も設ける。与信枠は50億バーツで、1件あたり貸付限度額は10万バーツ。最初の3年間の金利が優遇される。
 SET上場住宅デベロッパー、セーナー・デベロップメント社(SENA)のケサラ・タンヤラックパーク社長は、住宅価格の上昇率が所得の伸びを上回るミスマッチのせいで、購買力が低下している現状を指摘している。住宅は人の生活に欠かせないことから需要はあるが、所得の伸びが追いつかないため、家を買う余裕がなくなっているという。ケサラ社長によれば、住宅市場の需要と供給は一致していない。人口の半分以上は300万バーツ未満の住宅購入が精一杯の所得水準にあるが、バンコクで供給される住宅のほとんどは300万バーツを上回る。消費者の購買力は経済成長に沿った増加を示しておらず、マイホームを取得することは困難になっている。
 ケサラ氏によれば、バンコクの住宅価格は2014年比で70%上昇しているが、所得はこの間に15%しか増えていない。住宅価格の上昇は主に地価の高騰による。デベロッパーは建材コストの上昇にも直面している。
 都心の住宅を買えない消費者は郊外の住宅に目を向けているが、ケサラ氏は交通費が重くのしかかると指摘している。月間所得が3万バーツの消費者の交通費は生活費の16%を占めている。住宅取得の費用に通勤のための費用も含めれば、平均的な所得の者が住宅を購入することは益々困難になると指摘している。

ピチャイ商業相=駐タイ・米国大使と会談

 ピチャイ・ナリプッタパン商業相は10月17日、商業省本部でロバート・F・ゴデック駐タイ・米国大使と会談した[写真上]。ピチャイ氏は会談後に会見で、タイと米国が戦略的パートナーシップを築き、経済関係を強化して投資を促進する貴重な機会になったと述べた。会談ではグーグルやアマゾンがタイでデータセンターやクラウドサービスに投資していることを示し、デジタル、AI、エレクトロニクス、半導体などの分野で、タイは米国企業のサプライチェーンの製造拠点として役割を果せると伝えた。また食糧安全保障分野におけるタイの強みを示し、米国企業にタイの食品産業への投資を呼びかけた。23年に打ち切られた特恵関税(GSP)の復活も要望した。


 米国はタイにとって中国に次いで2番目に大きな貿易相手国で、昨年の2国間貿易額は687億㌦に達している。タイの輸出が484億㌦で、輸入は193億㌦。主な輸出品は、コンピュータ/同部品、ゴム製品、電話機・同部品、半導体/トランジスタ/ダイオード、変圧器・同部品、宝石・宝飾品、自動車・同部品など。主な輸入品は、原油、機械・同部品、集積回路、医療機器など。

その他のニュース

[経済ニュース]

運輸省とBEM=高速料金値下げ交渉

クロントイ港再開発=運輸省と財務省が協議開始

中銀の政策金利引き下げ=ピチャイ財務相が好感

BRICS首脳会議=タイはマリット外相が出席

ブリヂストン・タイヤ=デジタル技術の活用例紹介

「挽肉と米」1号店が開業=セントラル・ワールド7階

洪水被害の事業者=FTIが援助を陳情

海外著名アーティスト=独占コンサート誘致

デュシタニ・グループ=南アジアで事業拡張

[社会ニュース]
外来魚退治に受刑者活用=刑務所でナムプラー製造

チェンマイ市の大掃除=完了まで1週間

CNG仕様バス検査=不備発見は5%

ライオン(タイランド)=ラマティボディ財団に寄付

[企業紹介]
プルークパック・プロラックメー=オーガニック・レストラン「オーカジュ」を経営

[特集]
タイ・マネージメント協会60周年記念セミナー=テーマは「持続可能な成長」

[商業省発表の貿易データ]
輸出品目別の輸出額動向(2024年1-8月)
輸出地別の輸出額動向(2024年1-8月)
輸入品目別の輸入額動向(2024年1-8月)
輸入先別の輸入額動向(2024年1-8月)

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