BOIとジェトロが協力覚書を改定=サステナブル・ビジネス・デスク設置
投資委員会(BOI)事務局は日本貿易振興機構(ジェトロ)と「協力覚書(MOC)」の改定版を締結した。日本のスタートアップ企業のタイ進出支援、日本企業による最新技術の導入促進などを通じて日タイの経済協力を強化する。
3月4日にインターコンチネンタルホテルで開催された「タイ・日本持続可能なビジネスフォーラム2025」で、BOIのナリット・トゥードサティラサック事務局長[=写真右]とジェトロ・バンコク事務所の黒田淳一郎所長[=写真左]が署名した。フォーラムは、タイと日本の官民連携を強化し、投資誘致と持続可能な開発を推進することを目的に、BOI、ジェトロ・バンコク、東部経済回廊(EEC)事務局が共同で開催した。

開会式でナリット事務局長は、「BOIは持続可能な投資の奨励を常に重視している」と述べた。世界の投資動向に適応するための政策・支援策の見直しや、投資奨励対象分野の拡充を進めることで、投資家に新たな機会を提供する方針を示した。BOIとジェトロはサステナブル・ビジネス・デスクを設置し、企業のグリーン産業への移行を支援していく。
気候変動は、世界に大きな影響を及ぼしており、気温の上昇、自然災害の激化、農業部門への悪影響などが顕著に現れている。そのため、多くの国がカーボンニュートラルやネットゼロ・エミッションの目標を定め、国際的な環境機関も企業や産業が遵守すべき基準を設けている。
黒田所長は、消費者や取引先がESG(環境・社会・ガバナンス)を重視する傾向が強まっていることを指摘し、持続可能性の重視が重要な要素になっていると述べた。サステナブル・ビジネス・デスクは、タイと日本の官民連携を促進し、環境に優しいビジネスの発展とカーボンニュートラルの目標達成を目指す拠点として機能する。特に、タイと日本の企業や産業のグリーン経済への移行を支援し、温室効果ガスの排出削減に貢献する革新的な技術や環境配慮型の投資を促進する役割を担う。
ナリット事務局長は、デスクの設置が、タイと日本の協力関係を強化し、環境に優しい産業の発展や炭素排出削減の推進において重要な一歩になると述べた。BCG(バイオ・サーキュラー・グリーン)経済のコンセプトに基づいた投資の促進、イノベーションの開発、知識の共有を通じて、企業のグリーン経済への移行を支援すると説明した。
BOIは持続可能な投資を推進する上で中心的な役割を担っており、特にBCG産業への投資を積極的に支援している。2024年には、この分野で939件の投資プロジェクトが承認され、合計投資額は2300億バーツを超えた。また、2018年から2024年にかけては、5380件のプロジェクト、総額1.15兆バーツ以上の投資奨励を行なっている。
BOIは、急速に進むグリーン経済に対応するため、投資奨励策の改善を進めている。一例として、国際的なトレンドとなっている持続可能な航空燃料(SAF)生産への投資奨励や、農産物の付加価値向上を目的とした「バイオハブ」の開発、環境に優しい生産プロセスの導入を支援する「スマート&サステナブル・インダストリー」プログラムの推進などを挙げた。これらの施策により、産業界が環境負荷の少ない生産体制へと移行し、国際的な持続可能性基準を満たせるようにする。
EEC政策委員会事務局のチョンラチット・ウォラワンソー事務局長補によると、EEC地域への投資は拡大しており、2018年から2024年までの期間にBOIの認可を受けた投資額は約1.82兆バーツに達した。2024年には、EECへの年間投資額は3744億バーツを記録し、2018年のEEC法施行以来、最高水準となった。EECにおける外国直接投資で、日本企業の投資は2018年から2024年にかけての投資額全体の12%を占めている。特に、自動車部品、石油化学、化学産業などの分野での投資が目立つ。
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