2025年3月20日(木)号

クルンシー・フィノベート=アセアンのスタートアップを支援

 アユタヤ銀行(クルンシー)のコーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)部門であるクルンシー・フィノベートは、「Scaling New Heights Together(共に新たな高みへ)」という戦略のもと、グローバル・ベンチャーキャピタルを目指す。タイおよびアセアン地域のスタートアップの成長を促進することに引き続き注力する。
 3月11日に開いた「Finno Efra Accelerator Demo Day」イベントでは、最終選考に残った12のスタートアップが、企業や投資家に向けて戦略的なビジネスプランを発表した。
 クルンシー・フィノベートの社長代行兼ポートフォリオ・グロース部門責任者であるパリダー・アーティスポン氏[=写真前列右]によると、クルンー・フィノベートは、タイおよびアセアン地域のスタートアップをあらゆる成長段階で支援してきた。今年は、アセアンのスタートアップの規模を拡大し、新たな戦略的パートナーシップを構築する重要な節目になる。各種の取り組みを通じて、専門知識と能力を活かした地域に精通したグローバル・ベンチャーキャピタル企業としての地位を確立し、クルンシーのビジョンに沿った成長を目指すと述べた。


 クルンシー・フィノベートは昨年、フィンテック、デジタル技術、サステナビリティ分野のスタートアップに成長機会を提供し、強固なエコシステムを構築した。企業の成功と経済全体の発展には、ダイナミックで回復力のある経済環境が不可欠という認識のもと、包括的なアクセラレーター・プログラムを立ち上げ、スタートアップが長期的な成功を収めるための専門知識、リソース、ツールを提供した。
 「Finno Efra Accelerator Program」は、クルンシー・フィノベートとEfraStructureの提携により設計されたプログラムで、新興スタートアップを支援し、タイのトップクラスの専門家による指導を提供する。第1期プログラムには200を超える応募があり、最終的に12社が選ばれ、4か月間の集中的なカリキュラムを履修した。プログラムでは30を超える専門講義が実施された。そして事業戦略を投資家や企業に向けてプレゼンテーションするこの日の「Demo Day」で集大成を迎えた。パリダー氏は、投資機会を提供するだけでなく、タイの起業家を支援し、最大限のポテンシャルを発揮できるようサポートするというクルンシー・フィノベートのコミットメントを反映したものだと述べた。
 クルンシー・フィノベートは現在、40億3900万バーツを運用し、25のスタートアップに投資を行なっている。その中には、Grab、フラッシュ・エエクスプレス、クルック、アセンドマネーの4つのユニコーン企業も含まれ、いくつかの企業はIPOを視野に入れている。
 「フィノベンチャー・プライベート・エクイティ・トラストI」は、27億バーツの資金を有し、シリーズA以降のスタートアップへの投資を目的としている。現在までに15のスタートアップに17億3100万バーツを投資しており、2025年にはさらに6社への投資を計画している。また、「Finnoverse & Futuristic Fund」は、これまでに4億7500万バーツを投資しており、今年は7000万バーツの追加投資を予定している。さらに、「FinnoEfra Private Equity Trust」を通じて、シードからプレシリーズA段階のスタートアップへの投資も進めることにしている。
 今年は、タイおよびアセアン地域のエコシステムをさらに強化する重要な年となる。パリダー氏は、「専門知識と強固なネットワークを活かし、タイおよびアセアンのスタートアップを支援し続ける。さらなる飛躍の年になる」と述べた。
 「Finno Efra Accelerator Program」で選出された12のスタートアップとその事業分野は以下のとおり。
1.AIYA(MarTech)
2.Daywork(HRTech)
3.Gowajee(AI)
4.Graffity(DeepTech)
5.JobsLab(HRTech)
6.MUl-Robotics(DeepTech / Sensory AI)
7.Osseolabs(HealthTech/ MedTech)
8.PAM Real CDP(MarTech)
9.Spacely AI(PropTech)
10.ThaiHand(WellnessTech)
11.Vansales(RetailTech)
12.Wang(AI/ DataTech)

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