ミャンマー震源のM8.2地震=バンコクで建設中のビル倒壊
3月28日午後1時20分頃、ミャンマー中部マンダレー周辺を震源とするマグニチュード8.2の地震が発生し、バンコクでもチャトゥチャック区で建設中の30階建てビルが倒壊するなどの被害が出た。ほかにも高層ビルでひび割れが見つかるなど、被害が広い範囲に及んでいる可能性がある。地震は最初の揺れの後も夕方まで十数回にわたって余震が続いたが、次第に揺れは弱まっていった。

倒壊した建物では地震当時、100人以上の作業員が現場で作業していた。29日現在、生き埋めになっていると見られる者は79人。救出活動が夜通しで続けられている。ディンデーン区やバンスー区の建設現場でも被害が確認され、死者は14人、負傷者は16人、行方不明者は118人に上っている。倒壊したビルでの死者は9人、ほかにも高層ビルから転落したケースなどがある。
当日、プーケットを訪問していたペートンターン首相は、予定を急遽取りやめてバンコクに戻り、非常事態を宣言した。首相はその足で地震被害対策本部を訪れ、状況の把握と関係機関との連携を指揮した。夕にはビル倒壊現場を視察し、その後は都庁に移り、救助活動を確認した。
都内では交通網が大きく混乱した。BTSやMRTは運行を停止し、帰宅を急ぐ人々が路上にあふれた。渋滞はほぼ全域で発生し、深夜まで続いた。チャッチャート・シティパン都知事は、都内の5つの公園を開放し、帰宅困難者のためにディンデーン区などに臨時の宿泊所を設けた。各区役所にはバイクタクシーを動員して、都民の帰宅支援を行なうよう指示した。
オンラインを通じて都民から寄せられた建物のひび割れなどの報告は6000件を超え、都知事は画像などをもとに危険度が高い場所から優先的に調査を進めていると説明した。タイ設計技師会と協力し、ラートプラオ区の「ライフ・ラートプラオ・ウェリー」やスクムビット・ソイ64の「スカイライズ・アベニュー」など、被害報告のあったコンドミニアムへの対応を急いでいる。SNS上では壁や柱のひび割れ画像を投稿する住民も多く、建物の安全確認が済むまで自室に入れないという声も相次いだ。
ミャンマー国内の被害は深刻な状況。軍事政権は非常事態を宣言し、国際社会に対して人道支援を求める声明を発表した。報道によれば、マンダレーのほかネピドー、サカーイ、マケオなどでも建物の倒壊や死傷者が出ており、死者は1600人以上、負傷者は3400人以上に達している。政府の発表では、マンダレーだけでも2300棟の建物が倒壊した。米国の地質調査所は、死者が1万人を超えた可能性や、経済的損失が同国のGDPを上回る規模に達している可能性を示唆している。29日には中国、インド、ロシアから救助隊が現地入りし、国際的な支援が本格的に始まっている。
同日、内務省防災減災局のパーサコン・ブンヤラック局長が記者会見を開き、今回の地震を第3級の大規模公共災害に指定したと明らかにした。揺れを感じたのは全国57都県に及び、余震は138回に上った。被災した地域には、チェンマイ、チェンライ、パヤオ、ラムプーン、ラムパーン、メーホンソン、プレー、ペチャブーン、スコータイ、アユタヤ、ノンタブリ、サムットプラカン、サムットサーコン、チャイナートなどが含まれている。住宅の被害は89棟、ビルは36棟、建設中のビルは14棟とされ、バンコク、パトゥムタニ、プレーの3都県が公共災害被災地区に指定された。
その他のニュース
[経済ニュース]
財政局の月例経済財政報告=輸出の大幅増が追い風
サントリー・ペプシコ=過去7年で最大規模の投資
最低賃金400バーツ=労相、「5月1日までに」
タイ商業会議所=新会頭にポット氏
バンコク保険=EV修理工場への投資を検討
「Thailand’s Most Admired Brand」=三菱電機が25年連続受賞
[社会ニュース]
ラノン県沖で拿捕のタイ漁船=乗組員4人を釈放
クロントイ拳銃殺人事件=実行犯に死刑判決
サケーオ県での領土侵犯問題=関係悪化回避を最優先
サイバー犯罪捜査課=オンライン詐欺・賭博を一斉摘発
ダブルAが社会貢献活動
[閣議決定]
25年3月27日
[先週の為替・株式市況]
25年3月24~3月28日
[商品市場]
バンコク首都圏の燃油小売価格
天然ゴム・ハジャイ中央市場
[金融市場]
外為相場
銀行預金金利
銀行貸出金利
コメント