「THAIFEX-ANUGA ASIA 2025」開幕=「世界の台所」を後押し
5月27日、インパクト・ムアントンタニ展示場で「THAIFEX-ANUGA ASIA 2025」が開幕した。アジア最大級の包括的な食品・飲料見本市で、世界中の食品分野のイノベーションが紹介され、商談の機会が創出される。ピチャイ・ナリプッタパン商業相[=写真中央]は開幕式の挨拶で、タイの食品産業のリーダーとしての地位を再確認する場になると述べた。

商業省国際貿易振興局、タイ商業会議所(TCC)、ドイツのケルンメッセとの協力により開催される。ピチャイ大臣は、タイが世界において長年にわたり高い評価を得てきた食品産業の強みに言及し、多様な原材料、豊かな天然資源、食文化を挙げた。そのうえで、「タイ・キッチン・トゥ・ザ・ワールド」政策を継続的に推進し、食品の品質を国際基準に引き上げてきたと述べた。2024年にタイは世界第12位の食品輸出国となり、2025年の輸出額は1兆7500億バーツ、前年比6.8%増が見込まれている。
政府は、技術とイノベーションを活用して付加価値製品の強化に注力しており、また、将来的には中小企業のGDP貢献度を30%から50%に引き上げることを目指している。ピチャイ氏は、「この業界にもっと多くの中小企業が登場してほしい。若い起業家が創造性を活かして食品を開発する機会がある」と述べた。
タイ商業会議所のポット・アラムワタナノン会頭は、世界経済が減速する中でも、食品セクターは他の業界に比べて比較的強靭性を保っていると述べた。一方で、原材料の不足とバーツ高が食品メーカーにとって懸念材料になっている。ポット氏は1ドル=34バーツより安い為替レートであれば、輸出競争力が高まるとしている。
THAIFEX-ANUGA ASIAは、世界第4位の規模を誇る食品・飲料の展示会で、商業省がタイの食品産業の推進に活用する重要なメカニズム。中小企業やスタートアップ、大企業まで、あらゆるレベルのタイの食品業者に国際的なビジネスパートナーとの商談や輸出機会拡大の場を提供している。
今年の展示会は規模と参加者数が大幅に増え、タイと海外56か国から3200社以上が出展、6200以上のブースが設けられている。農産物、加工食品、食品技術などあらゆる食品関連製品を網羅し、140か国から9万人超のバイヤーの来場が見込まれている。会期中と終了後1年以内の受注額は980億バーツ超に達する見通し。
ピチャイ大臣は「展示会の成功と食品産業の成長は、タイが世界的な食品ビジネスの中心地であり、信頼できる食糧供給国としての地位を確立していることの証し。タイは、世界レベルのインフラ、強固なビジネスネットワーク、政府の支援という三位一体で、国際社会の信頼を得ており、将来的には世界的なサービス産業のハブを目指す」と述べた。
インパクト・チャレンジャー・ホール1~3と展示ホール5~12で31日まで開催され、食品・飲料展示のほか、最新トレンド、消費者のニーズ、有益な情報の提供を通じて、参加者の事業の成長を支援するセミナーや特別イベントも行なわれる。
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