2025年6月4日(水)号

4月の工業生産指数=前年同月比2.17%増に回復

 工業経済事務局(OIE)が5月30日に発表した4月の工業生産指数(MPI)は92.30ポイントとなり、前年同月比で2.17%拡大した。自動車工業が21か月ぶりに拡大に転じたことと、政府の景気刺激策が支援要因となった。3月のMPIは4月30日発表では前年同月比0.66%減としていたが、改定により、0.05%増に修正されており、MPIのプラス成長は2か月連続となった。
 パーサコン・チャイラット事務局長[=写真]によると、4月の設備稼働率は56.51%だった。主な支援要因は、モーターショーでの予約車両の納車に伴う生産増と、債務者救済措置「あなたは闘い、私たちは助ける」の登録期間の延長、高齢者向け1万バーツ給付の景気刺激プロジェクト、住宅ローン規制の緩和、政策金利の引き下げなど。また、米国による輸入関税引き上げの90日間猶予も輸出増に寄与した。製造業の原材料輸入が増え、国際貿易は拡大した。工業製品の輸出額は前年同月比で16.60%増、金・武器を除いた輸出額は11.50%増加した。


 ただし、米国の関税政策の不透明さが国際貿易に影響を及ぼす可能性があり、OIEは今年通年のMPIの成長率を従来予測の1.5~2.5%から0~1%に下方修正し、工業部門のGDP成長率も0.5〜1.5%へ引き下げた。
 5月の経済早期警戒システムは引き続き「警戒」のシグナルを示している。国内要因では、民間投資の鈍化や産業界の信頼感の低下、米国の通商政策に対する懸念が影響している。国外要因では、EUの生産活動がやや改善した一方、日本は引き続き低迷し、米国でも関税政策の不確実性が続いている。
 4月にはペットフードの生産が前年同月比17.30%増となった。国内外需要が増加したほか、日本からの受注が顕著に増えた。コンクリート、セメント、プラスター製品は10.86%増。運輸インフラや住宅建設、工場建設に伴い、コンクリート杭などの需要が増加した。パーム油は13.49%増。好天によるパーム椰子の収量増が寄与した。
 一方で、石油精製製品は3.84%減となった。軽油、ガソリン91、灯油、ガソホール91などの国内需要と輸出が減少した。観光業の鈍化も影響した。インスタントコーヒーは84.35%減。一部メーカーが4か月連続で生産を停止した。炭酸飲料・果汁飲料・缶コーヒーは6.68%減。一部企業が需要減を受けて生産を減らした。

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