2024年6月21日(金)号

国王誕生6周期で記念紙幣

 タイ中央銀行のセータプット・スティワートナルプット総裁は6月20日、今年7月28日の国王誕生日(6周期、72歳)記念紙幣の発行を発表した。


 100バーツ紙幣1000万枚で、縦型のデザイン。国王の肖像は一般に流通している紙幣とは異なる。

電源開発計画を改定=再生可能エネ発電51%に

 エネルギー省は「2024~37年度電源開発計画(PDP)」改定作業の進捗状況を明らかにした。二酸化炭素排出削減に向け、よりクリーンなエネルギーへの移行を進めるため、再生可能エネの発電容量を大幅に増やす計画だが、プラスート・シンスックプラスート次官によれば、ガス火力は引き続き主力になる。37年時点の電力供給量は11万2400メガ㍗に達する見通しで、23年の5万3868メガ㍗から倍増する。
 プラスート次官によれば、現在は関係各方面からの意見聴取段階で、6月19日に公聴会を終えたばかり。これから計画案の策定作業に入り、原案がまとまれば国家エネルギー政策委員会に提出する。再生可能エネの利用増、電力供給管理の効率最大化、原子力エネルギーの試験的な採用を盛り込む。
 PDP改定版は国家エネルギー安全保障上の要求を満たす以外に、温室効果ガス排出削減に配慮した計画になる。世界の潮流に沿ってクリーン・エネルギーの適正配分を図る。
 タイ政府は2050年までにカーボン・ニュートラル、65年までにネット・ゼロ実現を公約し、「2021~30年度温室効果ガス削減ロードマップ」を策定済み。同次官はロードマップよりも前倒しで再生可能エネの割合を引き上げる可能性を示している。太陽光発電容量は2030年以降に2万4000メガ㍗まで増やすが、うち1万メガ㍗を30年までに前倒しで確保する。太陽光発電の拡大と化石燃料への依存度の低下は環境負荷の軽減のほか、電力料金水準の安定にもつながる。ただしエネルギー安保上は太陽光発電など、再生可能エネ発電への過度な依存は、電力供給の安定に影響を及ぼす可能性があるため、天然ガスによる発電を主力とする考えを示している。PDP改定版では広域停電について年間0.7日を超えないと規定する。
 再生可能エネの割合は37年までに全体の51%に増やすが、ガス火力も41%を占める。天然ガスは23年時点で57%を占めている。追加される再生可能エネ電力は、太陽光、風力、バイオマス、バイオガス、浮体式太陽光、廃棄物固形燃料、小規模水力発電、地熱発電、近隣諸国からの再生可能エネ電力の輸入。石炭発電は37年時点でも7%を占めるが、昨年の20%からは大幅に低下する。残り1%は原子力エネルギーと新エネルギー。ガス燃料の約5%は水素に置き換え、35~37年には20%まで水素の割合を高める。天然ガスからの分解によるブルー水素と、再生可能エネ電力を使って分解するグリーン水素のどちらを使用するかはまだ決定していない。
 ここ数年、天然ガスはタイ湾のガス田の事業権引き継ぎ問題から国内での産出量が減少。液化天然ガス(LNG)の輸入量が増え、コスト高から電力料金の高騰につながっていた。すでにエラワン・ガス田の産出量が日量8億立方フィートまで回復したため、コストは安定しつつある。プラスート次官は「太陽光や風力などは気候の変化により発電量が変動する可能性が高く、安定性では天然ガス発電に及ばない」と述べている。
 なおPDP計画期間中の電力料金については、1ユニット(㌔㍗時)あたり3.8バーツとの情報が独り歩きしているが、同次官はこれを否定。「料金水準はまだ決まっていない」として、正式な発表を待つよう求めた。電力料金は従来どおり、エネルギー事業監督委員会(ERC)が発電コストを踏まえて4か月ごとに検討する。
 同次官は、電力料金の国民負担分の一部をタイ発電公団(EGAT)が負担してきた金額が1000億バーツに達していることを指摘。電力料金を1ユニットあたり3.8バーツに定めたとしても、EGATへの返済分として0.3バーツを上乗せしなければならないと述べている。

その他のニュース

[経済ニュース]

タイの銀行の格付方向性=フィッチが中立に引き下げ

8か月間の政府正味収入=編成時目標から1.5%減

高速道路の通行料金=50バーツへ引き下げ検討

PTTグローバル・ケミ=持続可能な成長を重視

ノルウェーのオートストア=タイにロボット工場

SCBがセンシリに=152億バーツ融資

スマートシティ競争力=プーケットがトップに

ウィムット病院=4つのクリニック開設

ネット通販のラザダ=アリババが売却の噂

デジタル経済社会委員会=クラウド政策委員会を設置

[社会ニュース]
コロナ保険めぐり=行政訴訟でシンマンコン敗訴

Z/ミレニアル世代=職業観で調査

パノムルン遺跡の彫刻=シカゴ美術館が返還へ

[特集]
施行から5年の土地・建物税法=見直し作業始まる

[トピックス]
ランドブリッジ事業=地元の反対の声強まる

[企業紹介]
サイアム商業銀行

[BOI認可]

PDF完全版の定期購読はこちらから↓

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次