1月の輸出は4年ぶり24.4%増=過去最高額を更新
ナンタポン・ヂララートポン商業政策戦略事務局長[=写真]は2月23日、1月の物品輸出額が315億7310万㌦(9807億4400万バーツ)となり、前年同月比24.4%増加したと発表した。これで19か月連続の拡大となる。石油関連・金・武器を除いた場合でも20.9%の増加となった。タイの輸出は、AI技術への移行や世界的なデジタルインフラ整備の加速に伴い、電子製品の需要が継続的に拡大していることを押し上げ要因として力強く伸びた。電気製品、自動車・同部品も高い伸びを維持し、タイが地域における安定した生産拠点であることを示している。農産品・加工食品では、ドリアン、マンゴスチン、ジャスミン米、冷凍エビなどが上向いた。主な支援要因は祝祭期における消費増で、世界経済が地政学的な不確実性という課題に直面するなかでも、タイの農家に継続的な収入をもたらしている。

2026年1月のドル建て貿易額は、輸出が315億7310万㌦で、前年同月比24.4%増、輸入が348億7650万㌦で同29.4%増となり、貿易収支は33億340万㌦の赤字となった。バーツ建てでは、輸出が9807億4400万バーツで、前年同月比13.3%増、輸入が1兆974億4500万バーツで、同17.8%増となり、貿易収支は1167億バーツの赤字となった。
農産品・農産加工品の輸出額は前年同月比1.8%減となり、再び収縮に転じた。農産品が1.8%減で、6か月連続の減少、農産加工品が1.7%減でマイナス成長に転じた。輸出が伸びたのは、生鮮・冷蔵・冷凍・乾燥果物(53.4%増、2か月連続の拡大)、加工鶏肉(4.4%増、2か月連続)、ペットフード(8.2%増、5か月連続)、缶詰・加工果物(14.7%増、28か月連続)、動植物油脂(21.6%増、6か月連続)、生鮮・冷蔵・冷凍エビ(39.3%増、前月の減少から拡大)など。一方、減少したのは、天然ゴム(19.3%減、9か月連続の減少)、米(23.9%減、15か月連続)、缶詰・加工水産品(9.4%減、前月の拡大から減少)、砂糖(36.5%減、3か月連続)など。
工業製品の輸出額は前年同月比29.8%増となり、22か月連続の拡大となった。増加したのは、コンピュータ・関連機器・同部品(68.2%増、22か月連続の拡大)、自動車・関連機器・同部品(9.8%増、2か月連続)、電話機・関連機器・同部品(195.4%増、8か月連続)、プリント基板(10.9%増、13か月連続)、変圧器・同部品(32.2%増、16か月連続)、配電盤・制御盤(43.6%増、25か月連続)など。一方、減少したのは、ゴム製品(5.6%減、3か月連続の減少)、合成樹脂(7.5%減、7か月連続)、ラジオ・テレビ受信機・同部品(9.3%減、8か月連続)、衣料品(8.1%減、前月の拡大から再び減少)など。
仕向け地別にみると、輸出はほぼすべての主要市場で高い伸びを示した。電子・テクノロジー関連製品が米国、中国、EU、アセアンといった大市場における成長を引き続き牽引した。日本、オーストラリアでは自動車・同部品に回復の兆しもみられた。
主要市場向けは24.1%増となり、米国が43.1%増、中国が35.1%増、日本が2.7%増、EU(27)が17.8%増、アセアン(5)が29.8%増といずれも拡大した。一方、CLMV市場は8.7%減となった。
有望市場は22.7%増となり、南アジアが11.1%増、オセアニアが97.8%増、中東が13.7%増、ラテンアメリカが13.9%増、ロシア・CISが2.7%増、英国が11.0%増となった。一方、アフリカは3.6%減となった。その他市場は50.7%増となった。
米国市場は43.1%増で、28か月連続の拡大となった。コンピュータ・同部品、ファクシミリ・電話機・同部品、変圧器・同部品などが好調だった一方、宝石・宝飾品、ゴム製品、衣料品は減少した。
中国市場は35.1%増で、2か月連続の拡大となった。コンピュータ・同部品、銅・銅製品、生鮮・冷蔵・冷凍・乾燥果物が伸びた一方、化学品、ゴム製品、キャッサバ製品は減少した。
日本市場は2.7%増で、2か月連続の拡大となった。自動車・同部品、銅・銅製品、宝石・宝飾品が伸びた一方、コンピュータ・同部品、合成樹脂、缶詰・加工水産品は減少した。
EU(27)市場は17.8%増で、5か月連続の拡大となった。コンピュータ・同部品、宝石・宝飾品、ファクシミリ・電話機・同部品が伸びた一方、天然ゴム、衣料品、機械・同部品は減少した。
アセアン(5)市場は29.8%増で、8か月連続の拡大となった。宝石・宝飾品、コンピュータ・同部品、ファクシミリ・電話機・同部品が伸びた一方、航空機・宇宙機器・同部品、自動車・同部品、合成樹脂は収縮した。
CLMV市場は8.7%減で、5か月連続の縮小となった。自動車・同部品、銅・銅製品、その他畜産品は増加したが、精製油、宝石・宝飾品、砂糖は減少した。
南アジア市場は11.1%増で、前月の減少から再び拡大に転じた。精製油、コンピュータ・同部品、プラスチック製品が伸びた一方、機械・同部品、エアコン・同部品、合成繊維は減少した。
2026年の輸出は、引き続き拡大基調を維持すると見込まれている。各国で進むデジタル・インフラへの移行や、企業・政府・安全保障分野での利用拡大を見据えたAIデータセンターへの投資・開発が追い風となる見通し。ナンタポン氏は、食糧安全保障の供給拠点としてのタイの優位性や、インド、ラテンアメリカ、中東といった高い潜在力を持つ新市場の開拓が、今後の主要な成長エンジンとなると述べた。あわせて、今年発効予定の新たなFTAのもとでの特恵措置を総合的に活用することは、競争力を高めるうえで重要な強みとなるとした。
こうした機会がある一方で、ナンタポン氏は、バーツ相場の変動や地政学的対立に伴う世界貿易ルールの変化など、引き続き警戒すべき要因もあると指摘する。商業省は今後も世界情勢や各国の通商措置を綿密に注視し、障害の早期解消に努めるとともに、輸出業者の長期的な信頼確保を図る。
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