運輸業向け燃油補助金を導入=4月限定で支給へ
政府は4月1日から、運輸部門を対象とした燃油補助金を導入する。ピパット・ラチャキットプラカン副首相兼運輸相[=写真]が3月27日、明らかにした。コストの上昇と運賃引き上げ圧力に直面する事業者の負担軽減を図る。

ピパット運輸相は、燃油価格の上昇が運輸業界と利用者に与える影響を緩和するための支援措置を運輸省が取りまとめたと述べた。4月1日から30日まで実施され、利用実績に基づいて支給される。車両は陸運局(DLT)がすでに運用しているGPS追跡・運行監視システムにより確認する。
支援は主に2つのグループに分けられる。
第1のグループは、いわゆる「黄ナンバープレート」の非定期貨物トラックで、対象は28万7175台にのぼる。DLTのデータによると、これらの車両は1日当たり合計約3100万kmを走行し、燃費は平均で1㍑当たり4km。1日当たり約780万㍑の燃料を消費している。支援策では、軽油1㍑当たり6バーツの補助金を出す。生活必需品の物流コストを抑制し、小売価格への転嫁による物価の上昇を防ぐことが目的と説明した。
第2のグループは、公共交通事業者と配車サービスの運転手。車両数1万1395台の長距離バス(カテゴリー2および3)には、1㍑当たり4バーツの補助金を支給する。また、バンを含む地方バス(カテゴリー4、1万9414台)には、1台当たり1日300バーツの定額補助を支給する。さらに、登録された配車サービス運転手11万4653人には、1台当たり月300バーツを支給する。これらの措置は、運賃の安定と公共交通の利用促進、特にソンクラン休暇期間中の移動費負担の軽減を目的とする。
ピパット大臣は、補助金は一括支給ではなく、実績に基づいて厳格に支払うと強調した。GPS未搭載の事業者には、追跡を可能にするため、QRコードの導入を求める。また、ソンクラン期間中、国営・民営を問わず長距離バス運賃の引き上げは行わなないと述べた。現在の運賃体系は1㍑当たり33バーツの軽油価格を基準に据え置き、差額は政府が負担すると述べた。非定期観光バスに対する支援については観光・スポーツ省と協議を進めていると付け加えた。
一方、タイ陸運連盟は、燃料コストの上昇が持続不可能な水準に達しているとして、4月1日から全国で貨物運賃を引き上げる計画を発表した。トンユー・コンカーン会長は、燃料費が輸送コスト全体の45~50%を占めていると訴えた。同会長は、136の団体の代表が出席した理事会後、運賃は4輪トラックから24輪トレーラーまで6、7の車種区分で段階的に引き上げられると述べた。
初回の引き上げは10%で、その後は燃料価格の動向に応じて15%、さらに20~30%まで引き上げられる可能性がある。軽油価格は1㍑当たり約30バーツから39バーツへ上昇しており、1バーツの上昇ごとに物流コストは3~5%増加しているという。
トンユー会長は、運賃引き上げが物価や経済全体に波及し、特に低所得層に影響を及ぼすことを認めているが、「避けられない」と述べ、事業者は国民に負担を強いる意図はなく、事業継続のための措置だと強調した。
なお、政府は、消費者の負担増を緩和することを目的に、軽油に対する物品税を1㍑当たり1バーツ引き下げる準備を進めている。この措置により、月間最大20億バーツの税収減が見込まれる。
中東情勢に関する合同管理監視センターを統括するピパット大臣は、閣議が引き下げを承認したと述べた。ただ、実施には選挙委員会(EC)の承認が必要で、実施時期はECの判断次第と説明した。ピパット氏は、「減税は段階的に進める必要がある」と述べている。過去には物品税をゼロまで引き下げたこともあるが、財政への影響を慎重に考慮しなければならないと指摘。政府には支援策と利用可能な財源とのバランスを取る責任があると強調した。
ラワロン・セーンサニット財務省次官によれば、物品税減税は軽油のみに適用される。また、この措置は一時的なもので、今後の調整は国際原油価格、石油基金の仕組み、政府の財政状況に左右されるとした。
一方、商業省は、4月1日から消費財を最大50%割引く措置や、肥料価格の監視強化、農家の生産コスト削減に向けた取り組みなど、広範な生活費支援策を発表した。内国取引局のチャンタパット・パンチャマーノン次長は3月29日、同省が全国のスーパー、コンビニエンスストア、メーカー、流通業者と連携し、1000品目以上のハウスブランド商品を特価で供給すると述べた。4月1日に開始される「タイ・ヘルプス・タイ-ブルーフラッグ」キャンペーンのもと、全国で最大50%の割引が提供される。
ブルーフラッグの低価格販売は、全国500か所以上で展開され、遠隔地には移動販売ユニットが配置される。調理済み食品の価格抑制を支援するため、当局が米、卵、食用油、砂糖などの主要原材料を料理店や食堂に供給し、価格上昇の抑制を図る方針。また、アユタヤ県の農家からの苦情を受け、肥料価格の監視も強化している。当局が警察と連携し、おとり購入を実施したところ、肥料が高値で販売されていることを確認した。
農家向けに、「グリーンフラッグ・プラス」プログラムも継続され、化学肥料と有機肥料のクーポンを通じて、農家1戸当たり最大1400バーツの割引が提供される。さらに、土壌品質カードまたはGAP認証を保有する農家には追加支援が行なわれる。同プログラムは50県で開始され、100万袋の販売を目標とするとともに、26の流通業者と連携し、工場渡し価格でさらに1000万袋を供給する。
全国養豚協会は、飼料、アミノ酸、輸送費の上昇を受け、農場出荷段階の豚肉価格をバンコクで1kg当たり2バーツ引き上げ、72バーツとすると発表した。小売価格は通常、出荷価格の約2倍で、144バーツとなるが、一部の市場では170〜180バーツに達している。
消費者評議会は、バンコクの生鮮食品価格が過去1か月で3~12%上昇し、昨年発表された最低賃金の2.9%引き上げを上回っていると指摘した。
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