4月の消費者物価指数=7か月ぶりに前年比増
商業省が5月3日に発表した4月の一般消費者物価指数上昇率(インフレ率)は0.19%増となり、7か月ぶりにプラスに転じた。政府が軽油小売価格を1㍑あたり30バーツ未満に抑制する政策を打ち切り、軽油価格が上昇したほか、世界の原油相場の上昇からガソリンの国内小売価格も上昇した。また生鮮食品の物価も値上がりした。
プーンポン・ナイヤナパコン商業政策戦略事務局長[=写真]は、政府が4月19日で軽油とガソリンに対する物品税減税を打ち切ったことと、原油相場の上昇がインフレ率の上昇をもたらしたと述べている。また最近の猛暑の影響で、野菜・果物の市場出荷量が細ったことで生鮮食品の需給が引き締まった。
4月の物価指数は108.16ポイントで、前月比では0.85%上昇した。燃油小売価格の上昇に加え、豚肉、鶏肉、野菜・果物の価格が値上がりした。一方で米、冷蔵庫や洗濯機などの電化製品の物価は下がった。1~4月のインフレ率は0.55%減。
一般消費者物価からエネルギーと生鮮食品を取り除いた基本消費者物価指数上昇率(コアインフレ率)は0.37%増。前月比では0.05%上昇した。1~4月では0.42%増。
プーンポン氏によると、5月のインフレ率は引き続き上昇する見通しにある。その根拠として、①前年5月の電力料金が前年の最低水準だった、②猛暑と旱魃の影響で農産物の市場出荷量が細っている、③世界市場の原油価格が高止まりしているほか、国内での軽油に対する補助金も減額されている、④バーツ安で輸入コストが上昇している、⑤金利、燃油、電気代の上昇で事業者のコスト圧力が強まっていることを挙げている。
商業省の通年予測は0.0~1.0%増。
生産者物価指数は3.4%増
一方、4月の生産者物価は113.8ポイントで、前年同月比3.4%増となった。指数は前月比でも1.2%上昇した。1~4月では1.7%増。
工業製品の生産者物価は4月に3.8%上昇した。精製油、ゴム/プラスチック、食品、機械/工具、自動車/同部品、非金属鉱物製品の物価が上昇した。農林水産物の物価は8.7%増。米、サトウキビ、パイナップル、天然ゴムの物価が上昇した。鉱業製品の物価は17.4%減。
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