5月の輸出額7.2%増=14か月ぶりの高水準に
商業省が6月21日に発表した5月の物品輸出額は262億1950万㌦で、前年同月比7.2%増となった。4月には前年同月比で6.8%増となっていたため、プラス成長は2か月連続となった。石油/金地金/武器を除いた輸出額は6.5%増。輸出額は14か月ぶりの高水準で、貿易収支が5か月ぶりに黒字転換した。市場出荷量の増加で農産物の輸出が上向いた。1~5月合計の輸出額は前年同期比2.6%増、石油/金地金/武器を除いた輸出額は4.3%増となった。
プーンポン・ナイヤナパコン商業政策戦略事務局長によれば、5月の物品輸入額は255億6330万㌦で、前年同月比1.7%減。貿易収支は6億5610万㌦の黒字となった。
1~5月合計の輸出額は1204億9340万㌦で前年同期比2.6%増、輸入額は1259億5410万㌦で同3.5%増。貿易収支は54億6070万㌦の赤字だった。
5月の農産物/アグロインダストリー製品の輸出額は19.4%増。2か月連続でプラス成長となった。特に農産物は36.5%増へと上向いた。アグロインダストリー製品は0.8%増。
生鮮/冷蔵/冷凍/乾燥果物は128.0%増で、4か月ぶりに増加に転じた。中国、韓国、香港、ベトナム、日本向けが伸びた。特に気温上昇と旱魃の影響で出荷時期がずれ込んでいたドリアンの輸出が4か月ぶりに増加に転じた。天然ゴムは46.6%増で、プラス成長は7か月連続。中国、マレーシア、日本、米国、韓国向けが伸びた。ペットフードは39.2%増で、8か月連続で拡大した。米国、日本、マレーシア、オーストラリア、イタリア向けが伸びた。
鶏肉調製品は10.2%増で、プラス成長は3か月連続となった。日本、英国、オランダ、アイルランド、カナダ向けが伸びている。動植物油脂は95.7%増。7か月ぶりに増加に転じた。果物缶詰/同加工品は8.8%増。
一方で、米の輸出は4.5%減となり11か月ぶりに減少した。イラク、中国、南アフリカ、カメルーン、オランダ向けが減少したが、インドネシア、米国、フィリピン、日本、香港向けは増加した。水産缶詰/加工品は0.6%減、5か月ぶりに減少した。砂糖は46.1%減、5か月連続で収縮した。カンボジア、インドネシア、韓国、マレーシア、台湾向けが減少したが、ラオス、日本、ニュージーランド、中国向けは伸びた。タピオカ製品は16.2%減。7か月連続で収縮した。中国、日本、韓国、ベトナム、インド向けが落ち込んだが、インドネシア、台湾、米国、マレーシア、フィリピン向けは伸びた。
1~5月合計の農産物/アグロインダストリー製品の輸出額は4.7%増だった。
5月の工業製品の輸出額は4.6%増で、プラス成長は2か月連続となった。コンピュータ/同部品は44.4%増、2か月連続で増加した。米国、中国、香港、オランダ、シンガポール向けが伸びた。電話機/同部品は110.7%増で、プラス成長は12か月連続。米国、香港、日本、オランダ、台湾向けが伸びた。機械・同部品は12.4%増。3か月連続で増えた。米国、中国、インド、オランダ、オーストラリア市場が拡大した。銅/同製品は33.9%増で、プラス成長は8か月連続。木材/製材は16.7%増。
一方で、ゴム製品は8.8%減、集積回路は11.9%減、鉄鋼/同製品は14.1%減、半導体/トランジスタ/ダイオードは27.6%減だった。自動二輪車/同部品は23.6%減で、10か月連続で収縮した。ベルギー、日本、ブラジル、オーストラリア、中国市場が減少したが、米国、英国、カンボジア、マレーシア、ミャンマー向けは伸びた。
1~5月合計の工業製品の輸出額は2.4%増。
仕向け地別に見ると、5月の主力市場向け輸出は8.0%増だった。米国向けが9.1%増、CLMV向けが9.6%増、中国向けが31.2%増となった一方、アセアン(5)向けは0.6%減、EU(27)向けは5.4%減、日本向けは1.0%減だった。
プーンポン氏は、世界経済が緩やかながらもしっかりとした回復を始めていることから、物品輸出は今後も拡大傾向が続くと見込んでいる。ただし懸念材料もある。米国が8月に一部の商品で中国からの輸入品に対する関税を引き上げるため、7月までは中国から米国向けの輸出が加速する可能性が高い。タイは中国の製造業のサプライチェーンに組み込まれているものの、中国の輸出が加速してもタイの輸出には大してプラス効果がない。ゴム、プラスチック、化学品などの中間財の中国向け輸出は減少している。
首相のTV番組放送開始=「セーターと話す」
セーター首相が政府の仕事ぶりを国民に知ってもらうことを目的に「クイカップ・セーター(セーターと話す)」と題したTV番組の放送を22日から開始した[=写真]。首相の仕事は肉体的にも精神的にも大変で、疲れていないと言ったら嘘になるが、社会にいる多くの人がもっと疲れていると語った。プアタイ党は最大与党だが、自身はプアタイ党のための首相ではなく、国民全員の首相として、国民の問題解決を最優先事項として政務に取り組んでいきたいと語った。
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