2024年7月19日(金)号

EVのGACアイオン=ラヨン工場が正式オープン

 広州汽車(GACグループ)のEVブランド、GACアイオンは7月17日、ラヨン県のアマタシティ・ラヨン工業団地に開発した組立工場の開所式を執り行なった。設備能力は年間5万台。アイオン・オートモービル・マニュファクチャリング(タイランド)社が経営する。新工場開発の投資額は23億バーツ。開所式にはピムパトラー・ウィチャイクン工業相、ナリット・トゥードサティラサック投資委員会(BOI)事務局長も出席した。新工場では内外装、サスペンション、プラットフォーム、バッテリー、モーターを組み立てる。


 GACアイオンは、タイ政府のEV普及促進策「EV3.0」に参加しているEVブランドの一つ。今年から生産を開始する場合、販売補助金付きで輸入販売したEVの台数と等しい台数をタイ国内で生産する義務がある。来年に生産を開始する場合は生産義務台数は販売台数の1.5倍に増える。ラヨン工場で生産を開始したのは、タイで販売するために輸入した最初のモデル「AION Y PLUS」。
 GACグループの曽慶紅会長は、タイ工場の開設により、タイ国内外でのブランド競争力が強化されると述べた。アイオンは現在、中国に2つの工場を持つ。生産能力は年間50万台で、生産・販売台数は中国でトップ3に入る。曽会長によると、ラヨン工場が単なる組み立てではなく、ロボットやAIなど最新のテクノロジーが導入されている。
 曽会長は18日、首相官邸にセーター首相を表敬訪問した。首相はEV工場のオープンを祝福し、GACグループ初の海外EV生産拠点にタイを選んだことに感謝の意を述べた。タイがサプライチェーン・ネットワークと人材のポテンシャルの両面からEV生産ハブになる可能性を有していることを強調。タイ国内での部品調達で、タイのサプライヤーの能力開発への支援を要請した。合わせてタイに研究開発拠点を設けるよう提案した。
 曽会長は、タイと中国の友好関係から初の海外生産拠点にタイを選んだと語っている。タイを東南アジアの生産拠点にするのが目標で、投資を継続的に支援してくれたタイ政府に感謝した。また、タイを右ハンドル市場向けの世界レベルの製造・輸出ハブとする計画を伝えた。ラヨン工場はタイ国産部品を45%使用する。立ち上げ当初の設備能力は年間2万台で、将来的に年間7万台まで生産拡大する予定。
 首相は同会長と、タイのEV産業のサプライチェーン強化でも意見交換した。タイを世界のEVの重要拠点とすべく、政府が良好なビジネス環境づくりに尽力すると述べた。

電車オレンジ線=18日にBEMと契約署名

 タイ電車公団(MRTA)は7月18日、電車オレンジ線プロジェクトでバンコク・エクスプレスウェイ&メトロ社(BEM)と共同投資契約に署名した。
 署名式にはスリヤ・ジュンルンルアンキット副首相兼運輸相が立ち会った。スリヤ大臣は官民が協力して西区間であるバーンクンノン~タイ文化センター間の建設を進める重要な出発点になると語った。西区間は歴史的に重要なエリアを通過するため、全区間が地下鉄として開発される。
 東区間(タイ文化センター~ミンブリ間)は土木工事がすでに完了しているため、28年初めまでに電車運行を開始する。
 BEMのポンサリット・タンティスワニッチャクンCEOは、年内に51編成の電車を発注する計画を明らかにしている。30編成はオレンジ線で供用し、21編成はブルー線に追加する。発注から全車輛の納入までには2、3年かかるが、28年初めからの東区間の運行開始に向け、27年末までには間に合うとしている。西区間の土木工事については、機材や労働力の準備を始めている。土木工事、電車運行システム、車輛調達を含む総投資額は約1200億バーツで、6年かけて200億バーツずつ投資していく。資金はバンコク銀行が融資する。
 BEMは2004年に運行を開始した電車ブルー線(地下鉄チャルームラーチャモンコン線)ではシーメンス製の車輌を使っている。ブルー線はその後、延伸されており、2017年にはシーメンスに35編成を追加発注し、19年4月から納入が開始されている。一方、パープル線(バンスー~バンヤイ)の車輛は丸紅と東芝が出資する共同事業体が受注した。車輛はJR東日本グループの総合車両製作所製となっている。
 オレンジ線で供用する車輛は、スペアパーツの手配のことを考えるとシーメンス製か日本製になる可能性が高いが、ポンサリット氏は技術仕様を選ぶ段階だと述べるにとどめている。

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