2024年11月29日(金)号

民間投資に回復の兆し=財務省の月例経済財政報告

 財務省財政局が11月28日に発表した月例経済財政報告によれば、10月のタイ経済は、物品輸出が大幅に増加し、観光業の成長が持続した。民間消費も国家福祉カード保持者と障害者への現金給付を通じた経済刺激策の恩恵を受けた。ただし耐久財の消費はまだ回復していない。ポーンチャイ・ティラウェート局長は、景気の回復に影響を及ぼすおそれがある国内外の経済情勢を密接に監視していくと述べた。

◇デマンドサイド

 民間消費の指標は前年同月比で上向く兆しを見せているが、耐久財の消費は特に自動車で減少している。10月の乗用車の新規登録台数は前年同月比で27.4%減少した。ただし季節調整済みの前月比では2.0%増えている。自動二輪車の新規登録台数は前年同月比で4.3%増、季節調整済みの前月比では6.1%増となった。10月の消費者信頼感指数は56.0ポイントで、前月の55.3ポイントを上回った。①国家福祉カード保持者と障害者への現金給付を通じた経済刺激策、②観光業の成長持続、③多くの農産物の価格上昇が支援要因となった。10月の農業所得は前年同月比4.2%増。
 民間投資の指標は前月から上向く兆しが見える。設備投資では、資本財の輸入数量が前年同月比で21.2%増加し、季節調整済み前月比では8.8%増を記録した。また商用車の登録台数は前年同月比18.5%減だったが、季節調整済み前月比では5.2%増加した。民間の建設投資では国内セメント販売量が前年同月比15.7%増加したが、季節調整済み前月比では0.7%減。不動産取引税収は前年同月比で0.9%減、季節調整済み前月比で8.0%増。
 物品輸出額は前年同月比で増加した。10月のドル建て物品輸出額は272億2210万㌦で、前年同月比14.6%増。石油・同関連製品、金、武器を除いた輸出額は10.7%増を記録している。コンピュータ・同構成部品、エアコン・同部品、機械・同部品の輸出はそれぞれ順に77.5%増、44.9%増、43.0%増となった。このほかにも天然ゴム製品、水産缶詰、ペットフード、米の輸出がそれぞれ順に32.6%、26.7%、18.2%、10.1%と伸びている。ただしタピオカ製品、砂糖、自動車・同構成部品の輸出は減少した。
 物品輸出を仕向け地別に見ると、インドシナ(4)、EU(15)、米国、中国向けがそれぞれ順に27.9%増、27.5%増、25.3%増、8.4%増となった一方で、オーストラリア、台湾向けは14.0%減、3.1%減だった。

◇サプライサイド

 観光関連サービス業は前年比で上向いた。10月にタイを訪れた外国人観光客は268万人を数え、前年同月比で21.9%増となったが、季節調整済み前月比では8.1%減だった。中国、マレーシア、インド、韓国、ロシアからの観光客が増えている。タイ人の国内観光は10月に延べ2180万人を数え、前年同月比で5.2%増となったが、季節調整済み前月比で4.8%減となった。
 農業セクターでは、10月の農産物生産指数が前年同月比で2.9%減となった。季節調整済み前月比でも2.9%減。米、天然ゴム、パーム椰子などの生産が減少した。
 工業セクターでは、工業生産指数が前年同月比で0.9%減となったが、季節調整済み前月比では1.4%増となった。工業部門信頼感指数は10月に89.1ポイントとなり、前月の87.1ポイントから上昇した。多くの地域を襲った洪水が収束したことや、脆弱な層向け現金給付、観光業の成長持続、世界市場の需要の拡大にともなう輸出セクターの成長持続が支援要因となった。

◇経済安定性

 経済安定性は良好な水準を保っている。10月の一般インフレ率は0.83%、コア・インフレ率は0.77%。9月末時点の公的債務残高の対GDP比は63.3%で、財政規律法が定める70%以下の水準を下回っている。対外安定性も健全な水準を保ち、世界経済の動揺からのリスクに対処可能な状態にある。10月末時点での外貨準備高は2386億㌦となっている。

モーターエキスポ開幕=インパクトで12月10日まで

 11月29日、第41回バンコク・インターナショナル・モーターエキスポの一般公開が始まった。前日のVIP、報道関係者向け公開に合わせて執り行なわれた開幕式にはエカナット・プロムパン工業相[=写真中央左]が出席。その後、各社のブースを見て回った。


 エカナット大臣は工業省が新たな需要を生み出すため、下取りプログラムを計画していることを明らかにした。詳細は詰めの作業を急いでいるところで、追って発表すると述べた。

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