2026年5月26日(火)号

4月の輸出は23%増=米中向け好調で22か月連続増

 商業政策戦略事務局(TPSO)のナンタポン・ヂララートポン事務局長[=写真]は5月25日の記者会見で、4月の輸出額が315億8300万㌦となり、前年同月比23.1%増加したと発表した。輸出の拡大は22か月連続。石油関連製品・金・武器を除いたベースでも25.7%増となった。


 電子製品、自動車、電気製品、宝飾品が引き続き輸出を牽引した。他方、需要家側では、サプライチェーン寸断やコスト上昇への懸念を背景に、前倒し発注が進んだ。タイ産果物の需要は堅調で、ドリアン、ランブータン、ライチの輸出が伸びた。輸出市場別では、各国の製造業の生産や消費の拡大を背景に、ほぼすべての市場で好調な伸びを示した。1~4月の輸出額は前年同期比18.9%増加した。石油関連製品・金・武器を除くベースでは19.1%増となった。
 今後の輸出動向について、TPSOは、地政学的緊張が長期化するなかでも、引き続き成長が見込まれるとした。輸出事業者や海運会社が、地政学リスクや新たなコスト構造への対応を急いでいることに加え、政府も貿易障壁の解消や市場開拓を通じて支援を続けている。 一方で、ナンタポン氏は、海上輸送費の上昇やホルムズ海峡周辺の不安定な情勢、エルニーニョ現象による旱魃が下振れリスクになると指摘した。特に旱魃は、年後半の農業生産に影響を与える可能性があるとしている。
 商業省は、複合危機への対応として、経済構造を長期的かつ体系的に改革するため、5つの主要政策を推進する方針を示している。生活費対策、農業の高度化、中小企業(SME)支援、輸出市場の分散、デジタル技術活用の拡大、貿易関連規制の緩和などを通じ、国の競争力の向上につなげる考えだ。
 4月のドル建て輸出額は315億8300万㌦で前年同月比23.1%増、輸入額は416億430万㌦で45.0%増となった。貿易収支は100億2130万㌦の赤字だった。1~4月では、輸出額が1277億5280万㌦で18.9%増、輸入額が1472億5070万㌦で35.7%増となり、貿易赤字は194億9790万㌦に拡大した。
 バーツ建てでは、4月の輸出額は1兆223億5400万バーツで19.1%増、輸入額は1兆3630億8200万バーツで40.2%増となった。貿易赤字は3407億2700万バーツ。1~4月では、輸出額が4兆31億2500万バーツで10.4%増、輸入額が4兆6803億7100万バーツで26.3%増となり、貿易赤字は6772億4500万バーツ。
 農産品・農産加工品の輸出は4月に前年同月比5.5%増加し、2か月連続の拡大となった。農産品は17.9%増と9か月ぶりに増加へ転じた一方で、農産加工品は8.9%減少した。生鮮・冷蔵・冷凍・乾燥果物は74.3%増となり、中国、米国、インドネシア向けが伸びた。ペットフードは6.4%増、加工鶏肉は6.1%増、調味料は8.1%増、香辛料・ハーブは55.6%増となった。
 一方、天然ゴムは18.1%減、小麦製品・その他加工食品は8.2%減、砂糖は49.1%減、動植物性油脂は23.1%減、生鮮・冷蔵・冷凍鶏肉は16.6%減となった。1~4月の農産品・農産加工品の輸出は前年同期比0.02%減だった。
 工業製品の輸出は4月に27.5%増加し、25か月連続の拡大となった。コンピュータ・周辺機器・同部品は68.7%増、自動車・同部品は9.4%増、電話機・関連機器・同部品は140.5%増、ゴム製品は14.0%増、プリント基板は19.4%増、機械・同部品は29.3%増、宝飾品(金を除く)は29.5%増だった。
 一方、木材・木製品は6.7%減、自動二輪車・同部品は3.2%減となった。1~4月の工業製品輸出は22.8%増加した。
 主要市場向け輸出は、ほぼすべての市場で拡大した。TPSOは、4月の世界製造業購買担当者景気指数(PMI)が4年以上ぶりの高水準に上昇したことに加え、各国で製造業の活動と新規受注が加速するなか、サプライチェーン寸断やコスト上昇への警戒感から前倒し発注が進んだことが背景にあると分析している。また、物流の制約や地政学リスクの影響を受けていた中東市場も再び拡大に転じた。
 主力市場向け輸出は24.8%増。米国向けが44.2%増、中国向けが21.9%増、日本向けが23.4%増、EU(27)向けが19.2%増、アセアン(5)向けが34.3%増だった。一方、CLMV向けは13.4%減だった。
 有望市場向け輸出は19.2%増となった。南アジア向けは9.2%増、オーストラリア向けは53.2%増、中東向けは19.3%増、アフリカ向けは15.4%増、中南米向けは26.8%増、ロシア・CIS向けは3.4%増、英国向けは11.7%増だった。その他市場向けも8.8%増加した。

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