2026年5月28日(木)号

オートモーティブ・サミット開催へ=自動車産業の次世代化加速

 タイ自動車インスティチュート(TAI)とRXトレデックスは、次世代モビリティ産業への対応を目的に、「オートモーティブ・サミット2026」を開催すると発表した。6月17〜18日にBITEC展示場で開催される。世界の自動車産業が、AI、EV、スマートモビリティ時代へ移行するなか、タイ企業の競争力強化と未来産業への対応を支援する。
 イベントのテーマは、「スマートモビリティ:知能化が未来を動かす」。次世代自動車技術や未来モビリティ産業への対応戦略を幅広く取り上げる。タイの自動車関連事業者に対し、新たなビジネス機会の創出や産業転換に伴う課題への対応を促す。

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 TAIのクリアンサック・ウォンプロムラット所長[=写真左]は、「タイは多方面の課題に直面しているものの、世界11位、アジア5位、ASEAN最大の自動車生産国としての地位を維持している」と述べた。昨年の国内自動車生産台数は145万台となり、前年から約1%減少した。このうち、20%超が次世代車(xEV)だった。国内販売台数は62万台で前年比9%増加し、そのうち44%がxEVだった。一方、輸出台数は92万7000台で、前年から9%減少した。
 今年第1四半期については、回復の兆しが見え始めていると説明した。生産台数は37万台で前年同期比5%増加し、国内販売は19%増加した。一方、輸出台数は22万台で2%減少した。今年通年の目標については、生産145万台、国内販売55万台、輸出95万台を掲げている。
 バッテリーEV(BEV)市場は、政府の「EV3.0」「EV3.5」政策の効果により急成長している。昨年の国内BEV生産台数は7万914台となり、前年の6倍に拡大した。販売台数も12万1415台となり、81%増加した。
 タイの自動車産業は現在、本格的なスマートモビリティ時代へ移行しつつある。背景には、先進運転支援システム(ADAS)を搭載した新モデルが増えていることがある。また、主要輸出市場では、安全規制「GSR」の導入が進められており、2050年までに交通事故死者数ゼロを目指す「Vision Zero」政策への対応が求められている。
 デロイトの調査によると、タイの消費者の62%が品質を、59%がスマート技術を重視していることが分かった。こうした流れを受け、自動車インスティチュートは、「安全」「利便性」「省エネルギー」「環境配慮」の4分野を軸に、タイの次世代モビリティのロードマップを提示する方針だ。世界的な自動車産業の潮流とも合致する。
  「オートモーティブ・サミット2026」では、4つの重点分野をさらに細分化し、19本以上のセミナーを開催する予定。
 テーマ1「Smarter is Safer(よりスマートに、より安全に)」では、移動の安全性向上に向けた先端技術の活用を取り上げる。自動運転支援システム、車内シートやシートベルトなどに搭載されるAIセンサー技術、車両とインフラを接続する通信システムなどを通じ、事故削減と次世代安全基準の構築を目指す。
 テーマ2「Smarter is Pleasure(よりスマートに、より快適に)」では、移動体験の快適性向上を支える技術を紹介する。スムーズで知能化された運転技術、スマート接続システム、リアルタイム通信、インテリジェント車内空間、デジタル時代のライフスタイルに対応したモビリティプラットフォームサービスなどが主要テーマとなる。工学設計分野のイノベーションについても取り上げる。
 テーマ3「Smarter is Saver(よりスマートに、より効率的に)」では、エネルギー効率の向上とコスト最適化を支える先端技術を取り上げる。製造工程と実際の運用の両面で、スマートシステムを活用したコスト管理やエネルギー効率改善のほか、持続可能な移動システムに向けた設計イノベーションや、輸送効率向上に向けたデータ分析技術などを紹介する。新車開発期間の短縮に向けた「X-in-the-Loop」技術の応用についても議論する。
 テーマ4「Smarter is Greener(よりスマートに、より環境に優しく)」では、持続可能な自動車産業の構築に向けた取り組みを紹介する。クリーン技術、温室効果ガス削減、代替エネルギー、環境配慮型モビリティエコシステムなどを通じ、ネットゼロ目標に対応した低炭素輸送システム構築を目指す。また、あらゆる車両プラットフォームに対応したエネルギー管理の高度化や、EVバッテリーの製造からリサイクルまでを含むライフサイクル管理についても取り上げる。
 クリアンサック所長は、「タイの自動車産業を持続可能なスマートモビリティ時代へ導く原動力となることを期待している」と述べた。
 RXバイテック(タイランド)のワラポン・タマチャリー社長は、「自動車インスティチュートとの協力は今回で13年連続となる」と説明した。
 同氏によると、内燃機関中心の時代から、現在のEV・次世代モビリティ時代に至るまで、タイの自動車産業向けの知識共有プラットフォームを継続的に構築してきたという。また、マニュファクチャリング・エキスポの一部を成す「オートモーティブ・マニュファクチャリング」を通じ、タイとアセアンの企業向けに、技術、専門コンテンツ、ビジネスネットワークを包括的に提供していく方針を示した。
 「オートモーティブ・マニュファクチャリング」は、東南アジア最大級の自動車部品製造向け機械・技術展示会で、今年で21回目を迎える。昨年の来場者構成では、生産管理、調達、研究開発、品質管理を担当するエンジニアが過半数を占めた。残る約半数は工場オーナーや中間・上級管理職だった。来場者の関心分野では、自動車向け電子技術が18%で最多となり、以下、自動車部品製造機械(15%)、自動車部品(13%)、部品材料(13%)、自動車部品設計ソフトウェア(12%)が続いた。同氏は、「オートモーティブ・エレクトロニクス」「オートモーティブIT」「フューチャーモビリティ」分野への関心の拡大を示していると分析した。また、この傾向は、「オートモーティブ・サミット2026」で掲げるテーマとも一致していると説明した。
 2025年の「オートモーティブ・サミット」の来場者は700人超だったが、今年は900人規模の来場を見込んでいる。
 「オートモーティブ・サミット」参加者で「オートモーティブ・マニュファクチャリング」展示会への入場を希望する場合は、事前登録を推奨している。通常入場料は500バーツだが、6月16日までに事前登録した場合は無料となる。

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