BOI、上期の投資申請1.5兆バーツ=8.2万人の雇用創出
投資委員会(BOI)は、今年上期の投資申請が1299件、投資予定額が1兆4737億1800万バーツとなり、前年同期比37%増加したと発表した。デジタル・AI関連インフラへの大型投資に加え、電子・電気機器、農業・食品加工など重点産業への投資が寄与した。上期に投資奨励を認可した案件は、タイ人8万2000人以上を雇用し、国内で年間3860億バーツを超える原材料や部品を調達する計画。年間輸出額は1兆2400億バーツを超える見通しだ。
BOIのナリット・トゥードサティラサック事務局長[=写真]は、地政学上の問題、エネルギー価格の変動、世界的なサプライチェーン再編で世界経済は不確実性に直面するものの、タイへの投資は増え続けていると説明した。未来産業の投資拠点としてのタイのポテンシャルに対する投資家の信頼を示していると述べた。

業種別で投資額が最も大きかったのはデジタル産業で、90件、1兆1152億6000万バーツに達した。以下、電子・電気機器が179件、1202億3000万バーツ、農業・食品加工が131件、613億8800万バーツ、物流・高付加価値サービスが170件、402億1700万バーツ、エネルギー・基礎公益事業が221件、394億6100万バーツ、自動車・部品が122件、256億6200万バーツ、鉱物・金属・素材が128件、203億9900万バーツ、化学・石油化学が110件、165億3300万バーツ、機械・自動化システム・ロボットが82件、130億9300万バーツだった。
申請件数が最も多かったエネルギー・インフラ事業では、太陽光、風力、バイオマス、バイオガスなどの再生可能エネルギー発電が198件、263億5400万バーツを占めた。産業部門や未来産業の需要に対応するため、クリーンエネルギー、上水道、工業用水などへの投資が拡大している。
地域別では、中部が513件、9037億5900万バーツで最多となった。投資額は東部が4957億3700万バーツ、東北部が149億8500万バーツ、南部が118億6400万バーツ、西部が81億6200万バーツ、北部が77億3300万バーツだった。北部の投資額は他地域より小さいものの、前年同期比93%増と高い伸びを記録した。エネルギー・インフラ事業、農業・食品加工、医療など、地域の強みを生かせる分野で投資増の兆しが表れている。
外国直接投資(FDI)の申請は877件、総額1兆3684億9300万バーツとなり、前年同期比80%増加した。国・地域別では、シンガポールが158件、1兆1217億4200万バーツで首位。英国が11件、471億9300万バーツ、中国が321件、457億6600万バーツ、台湾が47件、380億1400万バーツ、日本が123件、327億9000万バーツで続いた。
外国投資の大半は、データセンター、データホスティング、クラウドサービスなどのデジタル産業が占めた。電子・電気機器分野では、高速データ通信に使う電気信号・光信号変換装置(光トランシーバー)、プリント基板(PCB)と関連原材料、ハードディスクドライブ、ウエハー・集積回路の検査、データセンター向けネットワークシステムや冷却システムの製造などへの投資が続いた。ヒューマノイドロボット部品、自動車部品、食品・飲料、先端素材への投資もあり、先端技術産業の拠点としてのタイへの信頼を改めて示した。
産業を「スマート&サステナブル・インダストリー」へ引き上げる措置への申請は132件、総額171億5800万バーツだった。生産効率を高める機械更新、省エネルギー・代替エネルギーの利用、デジタル技術の導入、自動化システムやロボットの製造・サービスへの活用が大半を占めた。
2026年上期に投資奨励を認可した案件は1300件、投資額は1兆3063億8600万バーツだった。電子、エネルギー、食品、先端製造などの産業で、タイ人を新たに8万2000人以上雇用する。国内の原材料や部品を年間3860億バーツ以上使用し、タイ企業がサプライチェーンに参入する機会を広げる。国内調達額は原材料総額の42%に相当する。年間輸出額は1兆2400億バーツを超える。
ナリット事務局長は、投資奨励の成果は投資額だけで測るものではなく、タイと国民に利益をもたらす投資を重視すると述べた。質の高い雇用の創出、人材の技能や新技術に関する知識の向上、タイ企業のサプライチェーン参入、各地域への経済活動の分散を挙げた。「タイランド・ファストパス」を通じて投資案件を可能な限り早く実現し、経済成長をけん引する一方、未来産業への移行による恩恵を国民が具体的に受けられるようにする考えを示した。
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