中銀が金融業界と違法取引対策を強化=監督下11団体と新枠組み
タイ中央銀行は、銀行やノンバンク、決済サービス事業者など監督下の金融業界と連携し、金融システムが違法取引に利用されることを防ぐ対策を強化する。新たに「金融部門を違法活動から守る協力枠組み(Framework for Safeguarding the Financial Sector from Illicit Activities)」を導入し、顧客審査や不審取引の検知、機関間のデータ共有を高度化する。中銀監督下の業界団体11団体が参加する。
ウィタイ・ラタナコーン総裁[=写真]が9月10日、明らかにした。金融機関が違法行為の決済手段や資金移動の中継経路、支援チャネルとして使われることを防ぎ、金融システムの安全性と信頼性を高める。

新枠組みでは、各金融機関が違法取引への対応方針や組織ガバナンスを明確にし、経営管理や内部監督の一環として取り組むことを求める。業態ごとに最低限必要な実務基準を設け、犯罪手口や事業環境の変化に応じて継続的に見直す。
データや技術、各機関が持つ専門知識も活用し、リスクの監視、検知、対応能力を高める。金融機関や関係機関の間で、不正行為の手口、警戒シグナル、関連データ、実務上の優良事例を共有し、複雑化する金融犯罪に対応していく。特に、複数の金融機関や業態をまたぐ取引を追跡しやすくし、機関ごとの法制度や監督範囲の違いから生じる抜け穴を塞ぐ。
一方で、規制の厳格化によって正当な利用者の金融サービスへのアクセスを過度に制限しないことも重視する。公正な競争や金融イノベーションとのバランスにも配慮する。
◆顧客審査・不審取引検知を強化
中銀は金融システム全体の監督基準を引き上げる。顧客や取引先の審査を厳格化するほか、データや技術を活用し、リスクの高い取引を早期に監視・検知できる体制を構築する。
関係機関が保有するデータの接続も進め、不正行為に利用される経路を特定しやすくする。新たな金融犯罪の手口に合わせて対策を更新し、国民の金融リテラシー向上にも取り組む。
新枠組みには、タイ銀行協会(TBA)、国際銀行協会(AIB)、政府系金融機関協会(GFA)、タイ電子決済サービス事業者協会(TEPA)、外国為替・金融サービス協会(TAFEXS)に加え、ノンバンク融資事業者の6協会・団体が参加する。計11団体が中銀と共同で具体策を進める。
各団体は、顧客確認(KYC)、顧客管理(CDD)、リスクの高い顧客を対象とする強化された顧客管理(EDD)を高度化する。
高リスクの現金取引への監視も厳しくし、高度な技術を使って異常な取引を積極的に検知する。リスク人物に関するデータベースを構築し、「Central Fraud Registry(中央不正情報登録システム、CFR)」とも接続する。
業界共通の資金洗浄防止・テロ資金供与対策(AML/CFT)の実務マニュアルも策定する。金融機関ごとに異なっている対応水準をそろえ、業界全体で共通した監視・防止体制を構築する狙いがある。
地域社会のネットワークも活用し、金融犯罪の被害を受けやすい脆弱層への情報提供や対応能力の向上を図る。
中銀と金融業界は今後、違法取引に利用される可能性のある金融システム上の抜け穴を継続的に特定し、必要な対策を講じる。金融犯罪の予防・対応能力を高め、安全性と利便性を両立した金融サービスへの信頼確保につなげる。
[経済ニュース]
「AIノッククラチップ融資」=売上データを融資審査に活用
Gastech 2026が開幕=安定供給・現実的な移行・投資拡大の3方針
ビジターエコノミーを構築=観光客数から経済価値へ
タイ航空が航空貨物事業デジタル化=CHAMPカーゴシステムズと提携
ワラーウット工業相=重要鉱物の一貫管理を指示
シンハ・エステート=UOBと富裕層開拓
スパチー副首相がインド商工相と会談=5分野で共創・共同投資
EECOが新疆と物流・投資連携=中央アジア・欧州への接続強化
[社会ニュース]
クロントイの油混入問題=送油管から漏えい確認されず
ユダヤ教新年祝賀=プーケットの行事が直前で中止に
タイのHIV研究者=WHO地域賞を受賞
[講演]
ウィタイ・ラタナコーン=タイ中央銀行総裁
[論調]
PDP2026で電力構造を転換=グリーン化と安定・コスト両立へ
[BOI認可事業]
8月10日認可46事業

コメント