2024年5月2日(木)号

3月の新車市場=前年同月比29.8%減

 タイ国トヨタ自動車が4月29日に発表した3月の国内新車販売台数は5万6099台で、前年同月を29.8%下回った。ただしハイブリッド車(HEV)の売れ行きは好調で、3月には1万2689台を数え、前年同月比68.9%増となった。バッテリーEVは5167台(25.6%減)、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)は897台(27.1%減)だった。
 3月の乗用車の販売台数は2万2342台(25.1%減)、商用車の販売台数は3万3757台(32.6%減)。商用車のうち1トン・ピックアップ・トラック(PPV含む)は1万9648台(45.5%減)だった。スパコン・ラタナワラハ副社長によると、景気全般が減速し続けていることで購買力が限られていることに加え、金融機関が自動車ローンを絞っていることが新車市場の収縮につながっている。
 第1四半期(1~3月)の新車販売台数は16万3756台で、前年同期比24.6%減。乗用車が6万5615台(15.4%減)、商用車が9万8141台(29.7%減)、商用車のうち1トン・ピックアップ車(PPV含む)が5万6425台(44.4%減)だった。
 BEVの販売台数は減少しているが、ある調査では、将来、新車を買うとしたらEVに興味があると回答した者が84%に上っており、EVへの関心は高い。EVの人気はエンジン車よりも維持費を節約できる点にあり、調査では回答者の66%がこの点を重視している。ただ、EVは長期的には費用の節約につながることを理解していても、サンプルのほぼ半数にあたる48%は初期費用が高いと感じており、EV購入の意思決定や市場の成長に対する障害となっている。
 ベトナムの自動車メーカー、ヴィンファストはタイ市場に新規参入し、BEVの「VFe34」を最初に投入する準備を進めている。6月にも発売し、追って3つのモデルを追加する計画。同社の販売戦略はサブスクリプション・ベースのバッテリー・サービス・ソリューションで、バッテリーをレンタルとすることでユーザーの初期費用を抑える戦略。顧客にはバッテリーを取り付けずに販売し、購入者が月額料金でバッテリーをレンタルできるようにする。EVの構成要素の中で最も高価なバッテリーを車から取り外すことで、購入時の初期費用は大幅に削減できる。
 初期費用の問題への対応では、ホンダの取り組みも注目される。ホンダはプラチンブリ工場で生産するBEV「e:N1」を一般には市販せず、12社のパートナーを通じて48か月からの長期レンタルで提供する。月々のレンタル料は2万9000バーツ。販売価格を市場が期待する水準にまで下げることが難しいことに加え、中国勢との価格競争に巻き込まれることを避ける狙いがあると見られている。消費者が月々の固定費を把握できるレンタル・モデルで市場を開拓していき、ホンダの優れたEV技術を認知してもらう戦略。ホンダのEV技術に対する理解が浸透した段階で市販に切り替えることを検討している。

ホンダがプラチンブリ工場で生産するBEV「e:N1」

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