村田製作所がMLCC増産=エカナット工業大臣が工場訪問
エカナット・プロムパン工業相はチェンマイ県での地方閣議が開催された11月29、30日にチェンマイ県とラムプーン県の工業事業所を視察した。洪水問題や微小粒子状物質PM2.5問題の防止と解決に向けた準備を整えるともに、インダストリアル・トランスフォーメーションを推進する。ラムプーン県では村田製作所のタイ現地法人、村田電子(タイランド)社の工場を訪問した[=写真]。
エカナット大臣はこれより前、11月21~23日に使節団を率いて日本を訪問し、村田製作所本社を訪れている。同社はラムプーン県ムアン郡マクアジェー区にあるワールド・ラムプーン工業団地に新工場を建設し、積層セラミックコンデンサ(MLCC)を増産する計画。タイ現地法人の村田電子(タイランド)は21年7月から北部工業団地でMLCCの工場の建設を進め、昨年3月に竣工している。投資額は約120億円(建屋のみ)。
MLCCは内部電極と誘電体層が多層に積層されたチップ部品タイプのコンデンサで、移動通信端末やコンピュータ、家電、IoT機器、自動車、医療機器、データセンター、人工衛星など幅広い分野で使用される重要部品。同社のMLCCの世界市場におけるシェアは40%。日本以外では中国、シンガポール、タイにすでに工場があり、新工場は4か所目になる。日本では福井と出雲の2工場。年率10%の生産能力の増強計画を継続的に推進しており、過去10年間でMLCCの生産力は3倍に増えている。5G通信サービスやIoT製品の需要拡大に伴い、MLCCの需要も伸びている。
村田製作所は35年前にラムプーン県に進出した最初の日系企業。同県への投資額の40%を占め、4000人の雇用創出に貢献している。ラムプーン県は賃金水準が低く、労働者の確保も容易と考え、早い時期から進出した。電子部品は軽量なため空輸による出荷が可能なことも地方への投資を可能にした。同社は近年、環境負荷軽減にも配慮し、この分野でもタイ社会に貢献している。
エカナット大臣がチェンマイで開いた記者会見では、①国民の健康を護るため有害廃棄物を管理し、②中小企業にも公正で平等な競争環境を実現し、中小企業が資本とビジネス機会にアクセスできるよう支援を急ぎ、③環境に優しい新たな工業経済を創出し、持続可能な工業の発展を目指すと述べた。
チェンマイではハーンドン郡にあるハーブ・ベーシックス社を訪問した。工業振興局が支援する化粧品やスパ製品のメーカーで、売上が伸びている。ハラル標準の認証も得た。工業省は原材料費、資本アクセス、認証などの分野で追加の支援を提供する。現地の工業振興センターも訪問した。技術移転、製品開発をサポートしている。工場からの大気汚染と水質汚染を監視し、汚染管理に関して助言する北部工場公害調査警報センター、タイ中小企業開発銀行チェンマイ支店も視察した。
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